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学術論文とプレゼン資料はWEBで即時公開すべきだ!
SBM研究会、P2P勉強会等を主催してきて感じたのは、学会発表というのものが対外発表の価値として少しずつ低下しているということである。対外発表としては、学会発表のほかにIT系の勉強会や特許出願、企業主催の講演会、展示会などが考えられる。ここで注目すべきなのはIT系勉強会の注目度が近年急激に上昇したことである。 ここではなぜ学会の価値が下がっているの、そして学術論文をWEB公開にすることにより、その価値を上昇できることを示したい。 参考:Tomo's Hotline 「学会系研究会」 v.s.「 プライベート勉強会」を超えて まず、現状を整理するために学会の良いところを書いてみよう。 1.専門家が集まることで、良質な意見が集まる。2-1.論文で発表することは学会による審査がパスしているので、それなりの価値があると判断できる。2-2.研究会や全国大会は(キワモノもそれなりにあるのだが)学会会員の注目を集めるために相当レベルの発表が期待できる。 そして学会の欠点は以下の4点に集約できるだろう。A. 新規性がなくても重要なもの(たとえばノウハウ)について発表しにくい。B. 投稿してから出版として公開するまでの時間が長い。(特に論文)C. 異業種間の交流が少ないために、仲間うちの意見に閉じてしまう傾向が強い。D. WEBとして一般公開されるまでにBから更に数年かかる。場合によっては、一般公開されない。 Aについては学会のポジショニングの話もあるので、今回は議論としない。Bについても審査等の話があるのでこれも議論としない。今回はCとDの話について。 ここからはなぜ、学術論文をWEBで公開すべきであるか(つまりDの改善)、それによって学会の価値が上昇することを示したい。 まず、通常の人がある技術を調査する時には大抵が検索エンジンを使う。そして、その検索クエリとして重要なのは文章化してあるファイルである。というのは、その技術概要の記述をWEBページに書き直すのは非常に労力がいるためだ。大抵の研究的な技術的資料はpdfやpptのファイルとして存在する場合が多い。 ところで、日本の場合にはこのpdfやppt(パワーポイント、ここではpdf化したパワーポイントも指すこととする)がヒットする数が本当に少ない。海外の場合には論文のpdfやそのプレゼンのpptがよくヒットし、そのことから論文の存在を知ることが多いのだ。またpptはその論文をわかりやすく解説しているので、私の場合は 1.まずpptでざっくり意味を理解する。2.次に論文のpdfでじっくり中身を見る。 ということを日常的に行っている。 ところで、日本技術サイトの場合はどうだろうか?まず論文がpdfで公開されていない。CiNiiでアップされていても読めるのは概要だけだったり、あるいはかなり昔のものだったりする。自分のサイトですら自分の論文のpdfを公開できない。(*学会によっては公開できるかもしれない。)更にはプレゼンのpptをアップしてるのは本当に少ない。 つまり、pdfやpptをWEBにアップしてないために、多くの人がその重要な仕事を知る機会を大きく損失しているのである。 私が何を言いたいのかというと、検索エンジンが知のハブとなっている今、WEBに論文、研究会、全国大会資料はすべてアップするべきであるということである。それも可能なら即時である。情報が急速に流通している今、時間が情報の価値を大きく決定付ける要因となっているからだ。その結果、論文の存在を多くの人が認識し、その結果論文が書いた人にも注目が集まる。結果的に学会のステータスも上昇する。 当然学会は学会誌販売によって生計を立てているところも多いと思うので、最低限著者のサイトでのみ著者に関する論文をアップすることを許可して欲しい。 WEBに資料をアップすることは、多くの異分野からの交流も図れる。学会には参加できない人から簡単にメールやTwitterで議論することができるからである。そのような異分野交流によって、著者の技術というのは更に磨きをかけることであろう。つまり、Cで指摘している、学会内の特定コミュニティによる蛸壺化を解消できる。更には学会外の人がその学会の存在と重要性を認識することができる。 多くの情報は紙媒体の「Publish」からWEBでの「Share」に既に転換してしまった。学会は早急に論文のWEB公開に対して検討をしない限り、学会の対外的な価値は益々減少するだろう。 あともうひとつ。これは誰にでもできることの提案。過去の研究会、全国大会のプレゼン資料を、みんなでWEBにアップしませんか?論文のWEB公開はNGでもプレゼン資料は学会の許可は必要ないはず。プレゼン資料をアップするだけでも、自分の仕事の認知度は上がるし結果的に学会のステータスもあがるので。プレゼン資料は読みやすいので論文をアップするよりも注目度が増すかも。 会社の人は厳しいかもしれないけども、逆に会社がそのような公表サイトを作って欲しいところ。
作者: Tomo
更新日:2009年1月4日 14時29分
昨年のはてブ数トップ10記事は?
明けましておめでとうございます。今年はBlog記事の執筆量を多くしたいと考えています。昨年同様ご愛読の程よろしくお願い致します。
さて、昨年のTomo' Hotlineのはてブ数トップ10の記事をずらっと書いてみます。
1位 47はてブ
第2回SBM研究会最終調整の悩み
2位 37はてブ
ソーシャルブックマーク研究会の概要&参加者募集開始
3位 35はてブ
第2回SBM研究会講師陣+参加者募集のお知らせ
4位 32はてブ
P2P研究者にお勧めするRFCとドラフト
5位 29はてブ
はてブによるコミュニケーション形態を分類してみる
6位 24はてブ
はてブ数とアクセス数の関係を数式化してみる
7位 23はてブ
はてブのコメントに「お題」を設けたらどうだろう?
8位 22はてブ
ストリートビューよりもレールビューが欲しい
9位 20はてブ(同率が2つ)
NAT技術者にお勧めするRFCとドラフト
P2Pアプリがブラウザー上で動作する!?
こう見ると、SBM研究会を開催したこともあり、SBMネタが上位を示しています。もともと、はてブでの統計なのでSBMユーザがSBMに関心を持つというところは至極当然かもしれません。あとは、50を超える爆発的なネタは残念ながらなかったです。
P2PやNATのネタではてブ数が伸びなかったのは個人的には残念。もうちょっとライトなネタを書けばよいのか、それとも書き方を変えればよいのか悩んだ時期もありますが、技術ネタについては、ある時期から好きなことを好きなように書くことにする、と決めました。P2PやNATについては、はてブ数がどうであれ、自分が思うようなクオリティの高い記事を今後も書き続けます。P2P、NATが本来の私のコア技術なので。
時代がもっとP2PやNATに注目してくれれば、今書いている記事ももうちょっと関心持ってくれるのかな。救いなのは2,3年、あるいはそれ以上前の記事をブックマークしてくれる人が多いことです。
まあ、今後もマイペースでBlog書きますので、是非SBM等でコメントをよろしくお願い致します。皆様のSBMでのブックマークや感想が私の執筆意欲を増加させます。
今年は勉強会戦略ネタを増加させようと思います。もちろんP2P、NAT、SBM、現代音楽ネタも充実させる予定です。
今年初の勉強会は、おそらくP2P関係で春頃になるかと思います。
今年も何卒よろしくお願い致します!
作者: Tomo
更新日:2009年1月2日 12時44分
冬の夜長に現代音楽ってどうよ?~Vol.2「カッコいい曲」編
さて、現代音楽入門として秋の夜長に現代音楽ってどうよ?~Vol.1「聞きやすい曲」編を書きましたが、もう冬になりましたね。すみません。。。 ということで第2弾は予告どおりVo2.「カッコいい曲」編を。クラシックとは違い、超絶技巧、クールな曲がオンパレードなのが現代音楽の良いところ。前回同様、曲を聴く前に「20世紀音楽の世界」で現代音楽の歴史を一通り見ておくと理解しやすいと思いますよ。 □西村 朗:弦楽四重奏第2番「光の波」 日本を代表する現代音楽家、西村 朗の代表作のひとつ。現代音楽演奏家のスペシャリスト、アルディッティカルテットの委嘱作品だけに超絶技巧のオンパレード。例えば普通の弦楽器では普通演奏しない超ハイトーンの続出、ハーモニクス、複雑なリズムの掛け合わせ。後半はインドネシアをケチャを彷彿させるエキゾチックでリズミカルな音楽が始まり、聞いていてとてもエキサイティングになる。単なる技巧的作品で留まらず、聞き手を常に刺激する。 □新実徳英:「風神雷神」~パイプオルガンと和太鼓のための この曲はとてもユニークだ。パイプオルガンと和太鼓のための2重協奏曲である。パイプオルガンと和太鼓と聞くと一見ミスマッチなのだが、パイプオルガンの厳粛な音色に和太鼓の重低音というのがとても合う。興味深いのは長いアドリブ部分があること。コーダに入る前にパイプオルガンと和太鼓がアドリブを渡され、演奏者のフィーリングによって自由自在な掛け合いが始まる。当然同じフレーズをほかのCDや演奏で聞くことはできない。可能であればTV番組や生演奏で曲をチェックしてほしい。和太鼓の演奏する姿がダイナミックで、ビジュアルでも楽しめる曲である。今後邦楽器を使った現代音楽は益々注目されるだろう。(有名なのは、武満徹の「ノベンバーステップス」、尺八と琵琶を使う。) 和太鼓に興味が出たなら、発展編で次の一曲を。松下功:和太鼓協奏曲「飛天遊」 もうね、いくつもの和太鼓の乱れうちで本当に凄い迫力。ベルリンフィルで演奏していたのを見たことがあるけども、TVで釘付けになりました。これを含めて打楽器系の超絶技巧作品はぜひ生かTVで見て欲しい。ビジュアルでも楽しめるので。 □リゲティ:ピアノエチュード 邦人作品ばかり紹介したので、ここで現代音楽の大家、リゲティの作品を。さてPerfumeの「ポリリズム」という作品ありますよね?あれは「ポリ」(複数)+「リズム」という意味で、独立したリズム(あるいは拍)を同時に演奏することを指します。このポリリズムですがリゲティによって数多く追求されています。ピアノエチュードはまさにその研究成果の代表作。 彼はアフリカンリズムに注目して、ある規則性から複雑なリズムが生成されることに注目しました。この作品を聞けばカオスティックな曲の中に、きちんとしたリズムが見出され、びっくりすることが多いことでしょう。またシンメトリーな構成によって聞き手を興奮させる仕掛けの曲もあります。(無限上昇や無限降下を行う作品など。)非常に技巧を有する作品ですが、演奏効果が高いため、多くのピアニストによって演奏されつつあります。 □プロコフィエフ:ピアノソナタ第7番「戦争ソナタ」 この作品はもう現代音楽というよりもクラシックの域に入っているかもしれない。それほど演奏回数が多く且つ人気の高い作品である。作品は第2次世界大戦中であり、そのせいか曲は調性が薄い、あるいは無調と思われる。しかし、曲の構成は均整がとれ、独特の緊張感であふれている傑作である。プロコフィエフ自身が有名なピアニストであるため、ピアノの音響が計算されていて、技巧的な部分も多々ある。特に最終楽章は7拍子で書かれた一番有名な楽章。最後は非常に大きな音の跳躍に富み、且つ演奏者は非常に大きな音を出さないといけないため、曲を聴く人は大興奮状態である。アンコールピースとしても有名だ。 なお、今回は私が好きなアルゲリッチを選んだが、ほかの演奏家と聞き比べすると面白いだろう。同じCDに入っているバルトークの「ピアノソナタ」も演奏回数は少ないが、盛り上がる作品。バルトークが最終楽章でよく用いる独特なリズム書法(変拍子の組み合わせなど)や民族音楽調も楽しい。 □クセナキス:ルボンa+b 20世紀になって一番活躍した楽器は何かといえば、おそらくそれは「打楽器」だろう。現代音楽ではリズムがメロディや和音と同様に重要視され、その結果打楽器はソロ作品を生むまでにもなる。もっとも日本人は和太鼓に慣れているので、打楽器だけの作品というのは全く違和感がないのだが、西洋の人にとっては画期的なことらしい。その最初期の作品はヴァーレーズの「イオニザシオン」。サイレンまで登場するスパイスが効いた作品だ。 さて、ここで作曲家のクセナキスを紹介したい。そもそも戦後音楽の主流は12音音楽の継承だった。12音音楽とは普通のメロディーの法則に変わり、12音を規則的に組み合わせして音楽を作ること。これをシュトックハウゼンやブーレーズがトータルセリーという音の長さや音の強弱らも規則性を生み出すところまで発展させる。ところでクセナキスは音の規則性としてなんと数学やアルゴリズムを使うことを思いついた。その結果独特の音響とリズムを生み出すことに成功した。 このルボンは打楽器ソロとして非常に有名な作品だが、超絶技巧曲としても知られる。あまりに難しすぎて、私が目にした演奏では演奏中に撥が吹っ飛んでしまった。ぜひ曲の躍動感を楽しんで欲しい。このクセナキス、演奏家のことをあまりに気にせずに作曲しているので「演奏不可能」「演奏不可能な近い」部分があることが多い。演奏家がどう曲にチャレンジしているかを見るのもとても興味深いところである。 ルボンに興味が持てば、シュトックハウゼン「ツィクルス」をお勧めしたい。 この曲も演奏の超難易度が高い作品。シュトックハウゼンが極めたトータルセリーの要素に偶然性というパラメーターも含まれている。楽譜が実はリング状になっていて右周りから演奏しても、左回りから演奏しても、「どこから」演奏してもよい!ことになっている。更に演奏スピードも演奏者に任せられている。もし可能なら楽譜を見ながらCDを楽しんで欲しい。 □バーバー:バイオリン協奏曲 バーバーといえば「弦楽のためのアダージョ」があまりにも有名。よく訃報や葬式の時に流れる重厚で荘厳な音楽ですよね。でも「ピアノソナタ」のようなとても現代音楽的な作品もある。バーバーでぜひ聞いてもらいたいのがこのバイオリン協奏曲。特に第3楽章はバイオリンソロが急速に細かいメロディを演奏し(いわゆる無窮動)、とても緊迫した時間を奏でていく。最近演奏回数が増えているので、クラシックファンでも是非チェックして欲しい。 如何だったでしょうか?ややクールな作品が多かったのですが、聞いてみると興奮する作品が多いはず。一度は聞いてみて欲しいものです。ちょっと技巧的な作 品が多かったかな?カッコいい曲としてはメシアンの「黒つぐみ」、「聖霊降臨祭のミサ]から「閉祭」、デュティユー「ソナチネ(フルートのための)」、 ブーレーズの「2重の影の対話」、武満徹「夢窓」なども面白い。 第3弾は「インパクト」のある作品です。いろいろな意味でネタになる作品教えます!期待して下さいね。
作者: Tomo
更新日:2008年12月30日 13時53分
2008年を振り返り、2009年の目標でも立てておくか。
今年も残りわずかとなりましたが、年末年始でマターリしているので、今年の自分自身を振り返ってみます。 ☆今年を振り返って □プライベートな勉強会活動・VoIP Conference 2008(2月)・SIProp研究会(6月、NAT越えについて講演)・第1回SBM研究会(7月)・情報処理学会誌寄稿(8月号、VoIP Conference 2008について)・SIProp研究会(9月、P2PSIPについて講演)・第2回SBM研究会(12月)・情報処理学会誌寄稿(12月号、第1回SBM研究会について) □仕事でのアカデミックな活動・P2Pネットワーク実験協議会シンポジウム(2月) ・P2P情報共有研究会(2月)(*JIPDEC主催)・信学会モバイルマルチメディア研究会招待講演(3月)・信学会全国大会(3月)・JANOG(7月)・IETF(7月、CGNドラフト)・信学会ネットワークシステム研究会(9月) 今年は2月から3月に掛けて講演がほぼ一週間に1回のペースがあって非常にきつかった。その裏では検証作業もあったので、相当肉体的にも精神的にも体力が消耗したのが印象的だった。ただ、この猛烈な講演スケジュールによって、大分自信がついたと同時に肉体的、精神的なな限界を知った。 またキャリアグレードNATについてはとても貴重な経験となった。IETFで多くの人と会えた経験は今後のキャリアプランを深く考える良いきっかけになった。今後の課題は英語力(特に会話)だなあ。 プライベートな活動だとSBM研究会が印象的。今まで研究や開発で携わった分野とは違う人と数多く会えた事はとても刺激的で楽しかった。SBM研究会を通じて自分自身のSBMに対する考え方を整理できたと思う。 Blogについては投稿数が去年に比べて減った。これは仕事やプライベートが多忙になりBlogの時間が取れなかったためである。SBM研究会を開催したこともあり、今年のエントリーはSBM関係が多かった。 Twitterについても本格的に使い始めたのは今年であった。ただ時間があまり取れず、結局Mixiまでには自分はヒットしていない状態である。 ☆来年について ・Blog(Tomo's Hotline) -1週間に1回は記事を書きたい。-来年はTwitterやミニBlogネタを書いていきたい。-P2Pの専門的な話、特にP4PやNATに関わる特集をしたい。-勉強会活動の戦略について書きたい。-音楽ネタは書きたいな。 -どこかで英語でBlogを書きたい。 ・Webページ(Tomo's Homepage)-そろそろ「P2Pとは何か」をリバイスしたいものだ。-プレゼン資料のページをもう少しうまく整理したい。 ・勉強会活動-第3回SBM研究会、P2P関係の勉強会、VoIP Conference 2009を開催する。-英語のプレゼンが練習できる場を設けたい。-勉強会活動を組織化する。勉強会運営に関して若手を育成する。-各種学会・団体とのコラボを模索する。あるいは他の勉強会とのコラボもあり。-勉強会活動に対する勉強会に参加する、あるいはそのような場を企画する。 ・仕事に関して-英語力はアップせねば。-そろそろ論文書くか。-休むときはきちんと休む。これが来年一番重要なことだな。 ・プライベートに関して-ダイエットする。72kgまで落とす。-家族と遠くに旅行したい。沖縄の離島とか。 さて、どの程度実行できるのか今から楽しみです。 本Blog及び勉強会について来年もよろしくお願い致します。
作者: Tomo
更新日:2008年12月28日 13時33分
SBM標準データにおけるプライバシーの考察
SBM標準データについて、前回書いたエントリーの続きです。
SBM標準データの考察~SBM研究の再現性を実現するために
さて、今回はプライバシーの課題について考えたい。今回は以下のエントリーを参考にしている。
第二回SBM研究会 & 研究用データの公開方法
Cicindela には豪華なおまけがついてきます
(*livedoor clipのデータ公開[縮小版]の話です。要チェック!)
例として「はてブ」を考えてみよう。
議論1)はてブには一般にブックマークを公開しているモードと、自分だけが閲覧できるプライベートモードがある。果たしてプライベートモードの情報は標準データに入れるべきであろうか?
議論2)クリップ数が少人数のURLがあると、参加者IDを匿名としても人物が特定できる可能性がある。クリップ数が少ないURLは標準データからはずすべきだろうか?
議論3)コメントによって上記同様に人物が特定できる可能性がある。コメントは標準データーからはずすべきであろうか?
まず標準データのポリシーは、私自身の意見で言うと、できるだけデータを開示することだと考えている。なるべくフィルタリングしない、これが様々な研究で活かされることになる。
では議論1について考えてみる。
プライベートモードではSBM情報が外部から入手することが一般にはできない。今、とある標準データの参加者ID_Aがプライベートモードであるとわかったところで、それ以上の情報が引き出せることは難しそうだ。ID_Aから(リアルあるいはバーチャルで)誰かが推定されなければプライバシーの課題としてはクリアできるが、当然標準データの参加者IDはシャッフルされるはずであるなので、公開しても一見良さそうな気がする。
ただ、プライベートモードの場合は
・セルクマが多い「かも」しれない。(人物が特定できる)
・その人にとって公開すると問題となるURLが含まれている可能性がある。(仕事用、研究用、あるいはアダルトなど)
・コメントが過激になっている場合がある。(外部要因によってコメント内容が淘汰されない)
・コメントが外部に漏れたくない場合がある。(仕事用メモなど)
ことが考えられるので、公開するデータ項目については検討の余地があるだろう。少なくとも、プライベートモードとパブリックモードを識別できるようにはしないほうが良いと考えている。なぜならプライベートモードの人がなるべく特定されにくいようにするためである。プライベートモードの人のコメントについても同じように特定され易くなるので取り扱い注意である。プライベートモードでも標準データに掲載できるのは、「参加者ID(シャッフル済み)」「クリップしたURL」「タグ」「クリップした時間」までかもしれない。
もしかするとプライベートモードとパブリックなモードでは随分クリップしているURLの分野が違うかもしれない。それはおそらくタグやコメントの仕方についても。それはそれで非常に興味深い話ではあるのだが。。。。
議論2、3についてだが、確かにシャッフルされたIDから実の参加者IDが特定される場合はある。しかしSBMのパブリックサービスのIDが特定されても、既に公開している情報なので問題ないのではないか?という意見もあるだろう。標準データのIDから実の参加者のIDが判明したところで、その参加者に対する情報はそれ以上引き出せない。つまり、現状と情報が開示されているレベルは同じである。よって私はなるべく情報は公開すべきだと考えている。ただし、プライベートモードのコメントについては、議論1のように慎重に検討すべきだと考えている。
SBMサービスにおける情報が、既に公開されているものが大多数のため、標準データのプライバシーについては色々な議論があるだろう。多くの方の意見を伺い、標準データの検討が行われることが必要だ。
なお、SNSの標準データを考えると、更に慎重な議論が必要である。これについてはまた別の機会に。
作者: Tomo
更新日:2008年12月27日 13時37分
SBM標準データの考察~SBM研究の再現性を実現するために
第2回SBM研究会の内容について、少しずつ感想や考察を書いていこう。 まず、運営者側としての今回の研究会の目玉は「パネルディスカッション」であった。各SBM事業者と研究者が揃う機会はあまりないし、ここでSBMの標準データを議論することは、とても有意義であったと思う。 当然運営者側としても、各SBM事業者が「SBMデータ」を何らかの形で提出することをコミットすることが、このパネルディスカッションを企画した時から一番重要な目的だと考えていたが、それが果たせて正直ホッとしている。(*パネルディスカッションで標準データの議論を、何で徹頭徹尾私がしたのか、これでわかって頂けるかと思う。) さて、SBMの標準データの話をする前に、ここで重要な情報を書いておこう。SBMを研究する人がデータ収集をしたい場合、各SBM事業者の広報と相談しよう。各事業者は広報を通せばデータを送付するとのこと。ただし、最低限のマナーとして、そのSBMデータを使ってどういうことをしたいのか、とか、その研究成果(例えば全国大会、研究会、論文等)はSBM事業者に伝えておこうね。 *補足:SBMデータの入手についてはCS系の学会等で直接SBM事業者にお声を掛けた方が、早く作業が進むかもしれませんし、SBM事業者の方と実際話もできるので、良いかもしれません。(SBM事業者とコネがある教授等を通すという手もあります。) では本題のSBMの標準データについて。まず、大きなテーマとしてパネラーの大向さんが指摘した再現性の問題がある。ある研究者がデータAを使い、他の研究者がデータBを使う場合、お互いの研究をフェアに考察することが難しい。おまけにそのデータは各研究者が独自に入手(場合によって独自にツールを作成している!)場合が多いので比較するすべがない。 もし、研究者同士が同じデータXを使えば、各研究者は研究を比較しやすくなるし、結果的にSBM研究が促進されるだろう。 研究の再現性の議論については、ここも参考にしてほしい。 ウェブサイエンスの抱える「再現性」の問題 では、標準データとはなんだろうか?画像の世界では、標準データというのが既にあって、これによってノイズ耐性や電子透かしの影響について調べられている。例えば、画像電子学会のページに具体的な情報が掲載されている。 標準データを議論するときには、個人的には以下の条件を満たす必要があると考えている。 (1)誰もがデータを入手できること(入手可能性) (2)データ項目が汎用的な研究に耐えられること(データ汎用性) (3)データ内容が研究の再現性に耐えられること(データ再現性) (4)データ内容が最新データに更新可能であること(データ更新性) (5)個人情報が保護されること(ID秘匿性) この条件はジャストアイデアなので、もしかすると上記の条件をマージあるいは更に分割する必要があるかもしれない。 (1)については場合によってはNDA等の契約あるいはフォームの研究目的を記入する必要があるかもしれない。研究目的であれば、なるべく障壁を少なくして入手可能とすることが必要である。 (2)データ汎用性については、データ項目の内容である。データ項目としては以下のようなものが考えられる。 a)クリップしたURL b)クリップした人のID c)クリップした日時 d)クリップしたときのタグ e)コメント f)クリップした人と(SBM上で)つながりがある人(例えばお気に入りなど) aとbが決まればc,d,eは原則一意に決まる。(*1URLに対して複数コメントを許している事業者は違う。)fはa~eとは独立の概念であり、事業者によってはfのデータがないだろう。となると、もしかするとa~dあるいはa~eの情報で標準データとしては十分かもしれない。 (3)データ再現性とは、そのデータを使って研究者同士が研究成果を比較できるかどうかである。これを決めるパラメーターとして -標準データにおけるデータ取得期間 -標準データにおける参加者数 (データ量の関係からランダムに公開データを間引く可能性あり) -標準データにおけるクリップ数閾値 (あるURLに対してXクリップ以上でないと公開しない、あるいは、あるユーザにおいてクリップ数がX以上でないと公開しない[下限値の閾値、→逆に上限の閾値もありうる。SBMスパマーをフィルタリングする目的で。]) が挙げられるだろう。当然研究者としてはデータ期間は大きいほうが良いし、参加者数も多い方が良い。閾値もなるべくないほうが良い。ただし、その場合SBM事業者が大変になる。そもそもどの程度の情報があれば、研究として十分なのかを議論する必要があるかもしれない。 人によっては1日の情報だけでよいと思う人がいるかもしれない。私はその意見には、あまり賛成ではない。というのは、1日という期間では、外部要因(例えば政治、経済など)に大きく左右されるからである。また曜日、時間帯によってクリップする人が違うと思われる。よって、曜日変動も踏まえると少なくとも1週間分のデータは必要ではないだろうか? また期間が少ないと、アノマリーなデータが出にくい。ここで指しているアノマリーとは、ある意味「標準的とは外れた」データのことである。例えばスパマーによる大量投稿、あるいは関心の大きい事件やイベントに対する記事へのブックマークである。このようなアノマリーを十分抽出することができれば、例えばスパマー対策や時系列によるブックマークの研究などの活かせることができるだろう。 (4)データをどのタイミングで更新するかということだが、多くても1年に1回ぐらいあれば十分かと考えられる。この辺りはSBM研究者の意見を考えたい。逆に更新頻度が上がりすぎると、同じデータにおける研究が少なくなる可能性が高い。 (5)参加者ID(場合のよってはURLの一部も?)をランダム値にすることが望まれられる。他にも(1)と関連するがNDAによって公開を縛ってしまうことも手だろう。 以上を踏まえてSBM標準データとはどうすべきか、ということを考えて行きたい。当然、他の分野(例えばSNS)などの動向を見ながら、どうすべきかは参考にしたい。 なお、標準データのあり方がきっちり決まる前にとりあえず各事業者がデータを公開するのは「アリ」であると考えている。公開しながら標準データのあり方を議論するのも一つの戦略だろう。 この議論は現在第2回のSBM研究会講師らによってクローズドMLにより行われている。ただし、MLには講師あるいは私の招待があれば参加できるようにはしたい。(興味のある方は講師か私に連絡してください。)方向性が決まれば、いずれオープンなMLやイベントで議論したいと考えている。
作者: Tomo
更新日:2008年12月23日 14時17分
第2回SBM研究会の運営サイドとしての感想
第2回SBM研究会から一週間が経ち、体力的にも精神的にも随分回復したので、「運営サイド」としての感想を書いてみたい。(所謂勉強会の個人的感想はまた後で。) 参加者数はスタッフを入れて170名程度。定員を190名と設定したことを考えれば、土曜日開催としてはキャンセル率が低いと思う。今回はIT系勉強会が数多く同日開催していたということで、SBM研究会に参加することを迷った人が結構多いかと思う。SBM研究会を選んだ方、大変ありがとうございました。 □新たな試み1:P2Pでのライブ配信 当日はShareCastを使ってP2Pライブ配信を実施していた。同時視聴者数は数10人程度で、目標の100人は下回った。ライブ中継をもっと利用してもらうためのプロモーション施策はもう少し考えてみたい。ただ、キャンセルした人が当日ライブ中継を見ていたという場合もあり、ライブ配信は一定の役割を果たしたと考えている。当日の配信の状況について感想等があれば、トラックバックかSBMのコメントで知らせて欲しい。 なお、今後のイベントでは、VODによる配信も検討している。 □新たな試み2:Twitterでのコメント配信 事前に参加者等にはTwitterの@sbm2をフォローして欲しいとの連絡を入れていた。http://twitter.com/sbm2フォロー数124名、発言数408名(12/14現在)というのは、一日限りのイベントとしてはかなりの効果が出ていたかと思う。実際私は講演を聴きながらもTwitterの発言が気になり、途中講演が聞けなかった部分もあった。そのぐらい、Twitterの感想は興味深かった。 @sbm2はtwiccoを使っていたのだが、-発言してから表示するまで、遅延が大きい場合(場合によって10分以上)がある-発言順序がひっくり返る場合がある-遅延したコメントが一気に表示されることがあるという点が気になった。イベントでtwiccoを使う場合には、事前に連絡すれば表示遅延をなるべく少なくするような対応をしてくれることをtwiccoには期待している。twiccoの効果が絶大であることが本イベントで示されたわけで、今後はtwiccoを使ったTwitterライブ中継がより普及されることが期待できる。使った方はtwiccoの効果の程はどうだっただろうか? □SBM研究会の感想Blog 今回の感想Blog数は、はてブ数3以上のエントリーは -第2回SBM研究会;68個(参考)第1回SBM研究会:18個 ということで、大分増えた。これはSBM研究会でSBMを使ってブックマークすることが大分浸透した結果だと考えている。ただし、同じ人が複数回アップしている人がいるので単純比較はできない。むしろ気にしているのは、第2回SBM研究会の方が1エントリーあたりのはてブ数が大きく現象していることである。この原因としては -アルファブロガーの参加者数が少なかった-SBM研究会が第2回目となり、イベント注目度が薄れた-当日多くのIT研究会が開催されていた-講演内容としてブロガーの心を捉えるまでには至らなかった 等が考えられるが、アンケートを取っていないので推測の域を出てない。是非SBMのコメント欄でこの原因について答えて欲しい。 □次回の試み:Twitterでの参加者募集 次回の試みとしてTwitterで参加者を募集することを考えている。Twitterに新アカウントを作成するので、そこをフォローすれば参加申し込みが終了となる。これであれば、管理者は参加者数を簡単にカウントできる(フォロー者数)し、参加者への周知もこのアカウントを使えば簡単にできる。またオープンなシステムなため、クローズなMixiを補完する役割も果たす。参加者が定員になれば、Twitterのアカウントをプライベートモードにすればよいと考えている。 本当はSBMを使って参加者数を募集することを考えたけども、参加者に周知をする手段がないので、参加者募集ツールとしては弱いかな、と思っている。 □次回のSBM研究会について 第1回目に比べてアカデミック色を薄らげるように調整したのだが、いかがだっただろうか?アンケートを見ると、その効果がある程度出ているように見えた。今後はブロガーやSBMユーザの講演を多く取り入れて、バランスのあるSBM研究会にしたいと考えている。 なお、第3回SBM研究会の講師募集は既にMixiで始まっている。興味のある方は是非応募してみよう。http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=37838038 ・SBMに関わるレコメンド・SBM事業者の講演については、私の方から参加者のある方にコンタクトをしたいと考えている。お楽しみに。 □Tomo's Hotineのこれからこれから少しずつSBM研究会や勉強会戦略のことを書いてみたい。 *予定しているエントリー -なぜSBM研究会を開催したのか?-ITイベントのライフサイクルについて-ITイベントのライフサイクルとリーダシップについて なお、勉強会戦略については、みずほ総研吉川さんのインタビュー記事が掲載されている。こちらもご覧頂きたい。 IT系勉強会をもっと盛んにするには □耳寄りな情報第1回SBM研究会が情報処理学会誌12月号に特集として組まれている。研究関係の方は是非ご覧頂きたい。会員の方はそろそろ届くはずだ。 □最後に次回のSBM研究会は事務局を組織化したいと考えている。私が主催している各種イベント運営については、そろそろ若手に任せたいし、ノウハウを伝授したいと考えているので。そのような若手が新たな新勉強会を立ち上げることを祈っている。興味のある方はMixi経由等で私に直接連絡して下さい。
作者: Tomo
更新日:2008年12月14日 13時13分
第2回SBM研究会、お疲れ様でした!
昨日は長丁場にも関わらず多くの方が出席して頂き、大変感激しています。また、あまりに最近多忙だったため、自分が半分何を言っているかわからない状態で司会やプレゼンをしてしまい、大変ご迷惑を掛けてしまったかと思っています。
(今まで開催した勉強会の中で一番体調が悪かったです。すみませんでした。。。)
ただ、Twitterの公式アカウントの仕掛けやP2Pを使ったライブ中継が思った以上に成功したので、ほっとしています。こちらの考察はいずれ行いたいと思います。
講師の皆様、ボランティアの皆様、中継を見て頂いた方、そして参加者の皆様お疲れ様でした!何よりもお疲れ様→俺。次回の目標は体調管理と運営の組織化だなぁ。
第2回SBM研究会プレゼン資料公開+ライブ中継用URL
第2回SBM研究会の公式Twitterアカウント
さて、少しずつ体力が回復してきたので、参加者の皆様に最後のお願いをします。
□感想を書いてください!
MixiやBlogで第2回SBM研究会の感想を書いてください。そしてBlogで書いた方には1点ルールがあります。
ルール:書いた感想をお使いのSBMでブックマークをしてください。タグは[SBM研究会]でお願いします。
既に何人かの皆様には感想を書いていただいています!大変ありがとうございます。
タグを[SBM研究会]として検索して頂ければ感想は一気に表示されるかと思います。
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今後のSBM研究会を更に魅力的にするには多くの感想が必要です。どんな些細な事でも良いので書いて頂ければと考えています。
それでは第3回SBM研究会でまたお会いしましょう!
作者: Tomo
更新日:2008年12月7日 14時16分
第2回SBM研究会プレゼン資料公開+ライブ中継用URL
おまたせしました、第2回SBM研究会プレゼン資料を公開します。時間がなかったので、ページはそのうちきちんと整形します。http://homepage3.nifty.com/toremoro/study/SBM2.html またbitmediaさんのご好意によりP2Pライブ配信システム「シェアキャスト」によって当日の勉強会の模様を中継してもらうことになりました。ブラウザーを使えばライブを閲覧可能です。中継用URLは以下のとおりです。 http://scast.bitmedia.ne.jp/sbm12/login.php P2Pライブ配信を体感するのは初めての人が多いと思いますので、こちらにもご注目下さい。
作者: Tomo
更新日:2008年12月4日 17時7分
第2回SBM研究会の公式Twitterアカウント
第1回SBM研究会は参加者の多くがTwitterで状況を中継していましたが、ハブとなるアカウントがないため結構面倒だったみたいです。具体的にはTwitter検索を使ってSBM研究会の発言を把握し、その後お互いにフォローしながら中継クラスターを形成していました。 そこで、このような煩わしさから解消するために第2回SBM研究会では公式Twitterアカウントを作成しました! まずはhttp://twitter.com/sbm2をフォローしてください。@sbm2に向けて発言されたコメントを自動的に購読することができます。なお、@sbm2はtwiccoを使って作成しています。 この機会に是非@sbm2をフォローして頂き、発言テストをしてみてください。発言が反映するまでに少々時間が掛かる場合があるので、気長に待ってくださいね。 第2回SBM研究会はPC持込+Twitterでよろしくです!もちろん、会場にいけない人も@sbm2をフォローして楽しんでみてください。会場外からの質問などを受け付けるかも。
作者: Tomo
更新日:2008年12月1日 12時40分