メニュー

関連ページリンク

トップ > Family > Family - 人気ブログ(Blog)検索結果詳細 (2009年1月9日 4時)

[HIV/AIDS][データ]インドネシア東部・パプア州、「性的に活動的な」PWHにマイクロチップを埋め込んで監視する条例案:英字・日本語ニュースのリンク集

  

※注記:

※このエントリは、問題がなんらかの解決を見たというニュースが出るまで、随時更新したいと思います。

※僕がチェックできるのは英字・日本語ウェブニュースのみで、現地のインドネシア語ニュースがチェックできないため、ここでカバーされている情報には止むを得ない限界・偏向があることに、ご注意下さい。

※完全な素人の立場からの、自分の理解のための情報収集エントリです。よって、問題を分かり易く「解説」し「伝える」性質のエントリではない(誤りを含む可能性もある)ことを、ご了承ください。

  

※12月15日(月)、可決延期が発表:

インドネシア・パプア州「PWHマイクロチップ監視条例案」延期される(2008/12/16)

  

コンテンツ(予定):

  • インドネシア東部・パプア州、「性的に活動的な」PWHにマイクロチップを埋め込んで監視する条例案:英字・日本語ニュースのリンク集
  • 「性的に活動的な」PWHの監視とは??:条例案について
  • 「監視条例」の背景:パプア州問題とHIV
  • 国際社会の反応・対策
  • 可決延期(2008/12/16)
  • その後の問題の解決(情報待ち)

  

パプア州「マイクロチップによるPWH監視条例案」(未完)

  

恐らくこのニュースは、11月22日以降に、ウェブ上の英字メディアで取り上げられた。日本語では、世界エイズデーの12月1日(月)、YOMIURI ONLINEの記事で伝わった。

  

チップ埋め込んでHIV感染者を監視、インドネシアで窮余の条例案(キャッシュ)

   

【ジャカルタ=佐藤浅伸】エイズウイルス(HIV)感染者の皮膚にマイクロチップを埋め込み、信号を受信して性行動を監視する−。

  

 インドネシア東端パプア州で、異例の条例案が可決される見通しが強まっている。

  

 感染拡大に歯止めをかけるための窮余の策だが、民間活動団体(NGO)などから「人権侵害だ」と強い批判が出ている。

  

 条例案によると、「性的に活動的」な感染者・患者が対象で、故意に他人を感染させた場合、最高で禁固6月か罰金5000万ルピア(約40万円)が科せられる。また、全州民にHIV検査を義務付けている。

  

 パプア州は独立紛争が続いたことから外国人の立ち入りが制限され、情報面で立ち遅れた。エイズ教育も普及しておらず、感染者・患者数は累計で約4300人に上り、ジャカルタ特別州と並んでずば抜けて多い。

  

 現地からの報道によると、法案は近く可決され、年内にも施行される可能性が高いが、エイズ問題に取り組む地元NGOなどは「感染者は同じ人間であり、動物ではない。予防のための最善の方法は教育の普及とコンドームの使用の徹底だ」と反発している。

  

(2008年12月1日19時10分−読売新聞)

  

一読して驚く衝撃的なニュースだった。僕は、HIVエイズ問題にはーゲイ男性としてーそこそこ平均知識しかなく、ましてやパプアというインドネシアのいち地方州の名前は、正直いうと、はじめて聞いた。けれど、このニュースには、大きなショックを受けた。

  

HIVエイズについては、世界各地から毎日のように、深刻なニュースが伝えられている。そして、僕はいつもそれに聞かないふり、知らないふりを決め込んでいる。なのになぜ、このインドネシア・パプア州のニュースが衝撃的に思われたのか。

  

「性的に活動的」(よく意味が分からない)な人間にマイクロチップを埋め込み行動を監視するというアイディアの異常さ(あからさまに非現実的)のせいだけでは、ないだろう。HIV感染をめぐって世界で、そして日本で起きている/起きつつある、僕のようないち個人すら、知らないふりをしていても感じ取っている問題を、このパプア州の条例案がもろに突きつけたように感じたからだと思う。

十分に理解できているか、自分でも分からないのだがー

  

  1. パプア州条例案が、「HIV感染の犯罪化(刑事的処罰対象化)」傾向を牽制するためにUNAIDS(国連エイズ合同計画)が設けようとしている基準を、驚くばかりに逸脱、ほぼ無視しているに等しいこと。
  2. それが、HIV予防・治療プログラムを届かせることが難しい地方のHIV感染拡大への対策として出されていること。つまり、この条例案が、プログラム普及の困難な努力の「放棄宣言」をしてしまっているかのように感じられること。
  3. この「異常な(extraordinary)対策」が出されるに至ったパプア州のHIV感染拡大の社会的理由が、パプア州の深刻な先住民抑圧問題に根ざしている、ということ。つまり、深い不信感を生み出してきた対先住民政策の1つの結果への対策として、さらに尊厳を踏みにじり不信を育てるような政策が提起されたということ。

  

  

パプア州PWH監視条例案報道:英字・日本語ニュースのリンク集(随時更新)

  

この条例案のニュースが騒ぎを起こしてから、約3週間経つ(12月13日現在)。「否決されるかもしれない」との報道も出ているが(12月3日)、いったいいまどうなっているのか、はっきりしない。

  

とにかく、限られた情報源だが読むことができるニュースで、この「監視条例案」の問題は何なのか?どんなリアクションが起きているのか、どうなるのか?こんな条例を阻止する対策と支援が、国際社会から与えられることになるのか?を、追ってみたい。

  

発端

  

「HIV陽性者にマイクロチップを埋め込んで監視する」という案は、2007年に最初に報道されている。

  • Microchip-plan-reveals-ignorance - SatuDunia(2007/8/13)
    • 2007年にマイクロチップ監視条例案が州議会で取り上げられたときの批判記事。「マイクロチップ法案は、パプアの政治家のHIVに対する無知を明らかにした」とあるが、無知が執拗に支持されているらしいことが、明らかになってしまった。

  

国内メディア

  

  

12月16日、条例案可決延期と、マイクロチップの項目の削除が発表(→「問題の解決」へ)

  

海外メディア

  

  

  

パプア州HIV問題

  

※パプア州のHIV感染拡大の深刻さを伝える報道は多い。ここでは日本語ニュース以外は、比較的新しいニュースを集める。

  

  • HIV/AIDS fight needs 'real action' - The Jakarta Post(11/19/2008)
    • Papua AIDS Commission (KPAD)の声明の中のパプア州知事Barnabas Suebuの言葉。もちろん、陽性者をマイクロチップで監視しろとは言っていない。しかし、条例案推進派が言う「real action」の出典はここかもしれない。
  • Social taboos spur Aids in Indonesia - The National(2008/12/5)
    • UAEメディア。インドネシア、パプア州のHIV感染拡大問題の社会的側面(ゲイ差別・啓発の不足など)を論じる。パプアではHIVに関する情報の欠如が大きな問題。

国際社会の反応

  

  

参考:HIVをめぐる法制化

  

HIV検査の義務化
  • エイズ検査義務化に反対−バンコク週報(2008/12/2)
    • 「「検察庁、警察庁、ツインタワー・ホテルグループなどが職場でのエイズ検査を義務づけている。その理由は、組織や他のスタッフに迷惑をかけないためとされているが、このような考え方は改める必要がある。HIV感染者は誰の迷惑にもなっていない」」

  

問題の解決(報道待ち)

  

延期

  

続々と、報道が出つつある。

  

  • Microchip ditched in HIV/AIDS bylaw - The Jakarta Post(2008/12/20)
    • 「The articles covered implanting microchips in people with HIV/AIDS deemed to be "sexually aggressive", issuing HIV/AIDS-free cards and the so-called Next Generation Project."It is heartening to know that the three articles have finally been dropped from the bylaw," HIV/AIDS activist from the Jayapura Support Group, Robert Sihombing, said Friday.」マイクロチップ項目だけではなく、「陰性証明書(HIV/AIDS-free cards)」などの項目も削除になったらしい。が、「"However, I wonder why the legislative and executive branches were so quick to approve the provincial draft bylaw without publicizing the amendments." 」「the public had become stuck on the controversial articles and was not aware of the full content of the draft bylaw. 」だそうだ。

  

作者:Ry0TA

更新日:2008年12月13日 16時49分

このブログのホーム

[HIV/AIDS][データ]インドネシア・パプア州「PWHマイクロチップ監視条例案」延期される(2008/12/16)

  

マイクロチップ条例案の可決は、月曜日(12月15日)に「延期」が決定した。

  

ジャカルタ・ポストの記事によると、州政府が頑張った。NGOも抵抗し、そして世論の反発も大きかったことが分かる。政府は、HIVエイズ予防・治療対策の世界標準を遵守する意志を示している。

  

しかし、あくまで「延期」であり、決して条例案が廃止になったわけではない。立法機関ではこの条例案の支持者が多いらしいことに、驚かされる。

  

Papua puts off controversial microchip plan - The Jakarta Post(2008/12/16)

  

パプア州立法会議は、承認が考えられていたパプアのHIV/AIDSを扱う条例の支持を、この月曜日、延期することを決定した。州政府が人権侵害になると考えたためである。

Papua's provincial legislative council has decided to postpone the endorsement of the Papua HIV/AIDS Handling bylaw planned for approval this Monday, after the provincial administration deemed it would violate human rights.

  

「承認は延期されたのは、立法府・行政府が、マイクロチップをHIVエイズと生きる人びとに使用することについて、異なる見解を持っていたためだ」と、立法会議を代弁してKomarudin Watubunは月曜日、ジャカルタ・ポストに語った。

"The endorsement was postponed because the legislative and executive branches had different perceptions on the use of microchips for people with HIV/AIDS," council deputy speaker Komarudin Watubun told The Jakarta Post on Monday.

  

「行政府は、それは人権侵害だと見なしている。しかし、我々評議員は、社会に意識を打ち立てるひとつの努力と考えている」

"The executive sees it as violating human rights, while we councilors view it as an effort to build awareness within society."

  

HIV/AIDSと女性問題で活動する複数のNGOも、条例案に強く反対を表明していたと、Komarudinは付け加えた。

Several NGOs working on HIV/AIDS and women's issues have also expressed strong opposition to the draft bylaw, Komarudin added.

  

この膠着状態のために−彼は続けた−地方政府と立法機関は、問題のあるマイクロチップの条項を、大きく広まった公の反発に従って、草案から削除することに同意した、

Because of this deadlock, he went on, the provincial administration and the legislature might "ree to strike the controversial microchip article from the draft, following widespread public rejection of the article.

  

「人びとは、(その条項を)認めることはできないし,認めないだろう。会議は自分の意志を強制することはできない」彼は語った。

"If the public cannot or will not accept (the article), the council cannot force its will," he said.

  

「条例の承認は、一般の反応に罹っている。市民がそれに反対しているのに、可決はできはしない」

"The bylaw's endorsement depends on public reaction. Why would we pass it if the public was "ainst it?

「条例案は、行政府、立法府、NGOが同意したときにのみ、可決される。同意に達するために、会議が開催されるだろう」

"The draft bylaw will only be passed when the administration, legislature and NGOs "ree on it. Meetings will be held to reach this."

  

パプアの副知事Alex Hasegemは、行政府の応答を立法府の正式な会合で読み上げ、HIV/AIDSの扱いは世界的な原則を適用すべきだと述べた。

Papua Vice Governor Alex Hasegem, reading the administration's response at the legislature's plenary session, said HIV/AIDS handling should apply universal principles.

  

これらの原則の1つは−彼は続ける−偏見と差別を根絶し、HIVエイズとともに生きる人びとを尊重することだ。

One of those principles, he went on, was to respect people living with HIV/AIDS by eradicating stigmata and discrimination.

  

「HIVエイズとともに生きる人びとにマイクロチップを埋め込むことは、これらの原則から外れる。それは一種のスティグマ化だからだ」Alexは語った。

"Implanting microchips in people with HIV/AIDS is not in accordance with these principles because it is a form of stigmatizing," Alex said.

  

提案された策は、世界のいかなる地域でも行われたことがなく、どの程度性交するのか試されたこともない。

The proposed measure has never been done anywhere in the world and has not been tested to gauge its success.

  

Alex条例はマイクロチップ計画の試運転のためのものではないと言って、は、マイクロチップ条項を条例草稿に入れることを拒絶した。

Alex rejected the inclusion of the microchip article in the draft bylaw, saying the regulation was not meant as a test run for the microchip scheme.

  

現在のところ、40条項の条例は、マイクロチップを活動的または盛んに性関係を求めるHIVエイズとともに生きる人びとに埋め込むことを求めている。

As it stands, the 40-article bylaw requires microchips be implanted in people with HIV/AIDS deemed "gressive, or actively seeking sexual intercourse.

  

11月、John Manangsang評議員は、市民はこの問題に関して人権を誤って考えるべきではない、と述べた。

「もし我々がHIVエイズとともに生きる人びとの権利を尊重するなら、そうでない人びとの権利も尊重すべきだ」と彼は語った。

In November, councilor John Manangsang said the public should not misunderstand human rights as it related to this issue.

"If we respect the rights of people living with HIV/AIDS, then we must also respect the rights of those without," he said.

  

彼は加えて、人びとは条例案を個々の条項ではなく全体として判断すべきだとも語った。

He added the public should judge the draft bylaw as a whole rather than by its constituent articles.

  

「草案は,例えば、すべての人が早期に予防措置を取れるよう、HIVエイズ検査を受けることを求めている」

"The draft, for instance, requires everyone to take HIV/ AIDS tests so preventative measures can be taken early on."

作者:Ry0TA

更新日:2008年12月16日 23時41分

このブログのホーム

[ゲイ][yogyakarta]ジョグジャカルタ原則公布式@ジョグジャカルタ!(12月10日 Human Rights Day)

  

「性的指向と性自認の問題に対する国際人権法の適用に関するジョグジャカルタ原則」

  

11月25日・女性に対する暴力撤廃国際日から、16 DAYS of activism against gender violenceとともに駆け抜けた、

  

2008年11月25日ー12月10日“Our Sexualities, Our Genders, Our Bodies ~ Lesbian, Bisexual, and Transgender RIGHTS!”@タイ・フィリピン・インドネシア

  

明日、世界人権の日に、最終日です。

  

11月29日 第1回National Human Rights Day for Sexual Diversity@タイ・バンコク

  

から

  

12月6日 2008 Manila Pride, "Our Rights, Our Lives, Our Loves, Oueselves"@フィリピン・マニラ

  

を経て、

  

あすジョグジャカルタ原則生誕の地、ジョグジャカルタに、ジョグジャカルタ原則の旗が翻ります。

  

f:id:Ry0TA:20080801002354g:image

  

明日は、ジョグジャカルタで、シンポジウムにパフォーマンスが盛りだくさんのイベントが開催されるようです。ウェブ上にプログラムが駆け巡っています。

インドネシア語です、読めません

しかし、いまはインドネシア語オンライン辞書に機械翻訳とゆう強い味方があります。ちょっとぐらいは意味が分かるんじゃないかと思います。

  

とりあえず、プログラムのコピペです。

  

(12月21日追記)

公布式のレポートが12月11日に出ていました。

  

Keragaman Orientasi Seksual dan Identitas Gender sebagai Hak Asasi Manusia - PKBI-DYI

  

  

Undangan Bagi Teman - Teman di Yogyakarta - BoyzForum! - forum gay Indonesia


Dalam rangka memperingati 16 Hari Anti Kekerasan Terhadap Perempuan dan DUHAM yang ke 60, LGBTIQ Indonesia bekerjasama dengan international gay and lesbian human rights commission (IGLHRC), Global Fund For Women Dan HIVOS, menyelenggarakan:

  

YOGYAKARTA PRINCIPLES

Benteng Vredeburg, 10 Desember 2008

  

Our Sexualities, Our Genders, Our Bodies ~ Lesbian, Bisexual & Transgender Rights

  

Rangkaian Acara:

  

Pers Conference, pukul (09:00 - 10:00)

  

Aksi Damai Pembagian Bunga dan Sticker, pukul (09:00 - 10:00)

  

Dialog Publik “Penegakan HAM LGBTIQ di Indonesia” dan Launching Buku Saku Yogyakarta Principles (Translate), pukul (10:00 - 15:00)

  

Sesi I “Kekerasan Terhadap LGBTIQ”

Moderator: Masruchah (Sekjen Koalisi Perempuan Indonesia)

Pembicara:

  

1.Dede Oetomo (Pendiri GAYa Nusantara) “ realitas kekerasan yang di hadapi LGBTIQ sebagai bagian dari masyarakat”.

2.Neng Dara (Komnas Perempuan) “Aktivis LGBTIQ sebagai Human Right Defender”

3.Kepolisian Republik Indonesia “ Sikap Kepolisian terhadap kekerasan yang di alami oleh LGBTIQ”

4.GKR Hemas “LGBTIQ sebagai bagian dari pluralisme”

  

Sesi II “Keragaman orientasi seksual dan identitas gender sebagai HAM”

Moderator: Damairia Pakpahan (Aktivis Perempuan)

Pembicara:

  

1.Ifdal Kasim (Ketua Komnas HAM) “Pemenuhan HAM di Indonesia bagi warga negaranya”

2.Rudi Mohammed Rizki (Penanda tangan Yogyakarta Principles dari Indonesia) “Sharing the Yogyakarta Principles”

3. Nursyahbani Katjasungkana (anggota DPR) “Kebijakan di Indonesia terkait LGBTIQ”

4. Departemen Hukum dan HAM RI “Peranan Negara dalam penegakan HAM di Indonesia”

  

Launching Banner Yogyakarta Principles, pukul (15:00 - 17:00)

  

Art Performance, pukul (18:00 - selesai)

  

Panitia Penyelenggara:

Ardhanary Institute ? Koordinator Kegiatan (Jakarta)

Arus Pelangi (Jakarta)

Institut Hak Asasi Perempuan (Yogyakarta)

Institute Pelangi Perempuan (Jakarta)

Jaringan Islam Kampus (Yogyakarta)

Kartini Network (Jakarta)

Koalisi Perempuan Indonesia (Jakarta)

Koalisi Perempuan Indonesia ? Koordinator Lokal (DIY)

Lembaga VESTA (Yogyakarta)

Our Voice (Jakarta)

PKBI DIY (Yogyakarta)

PLU Satu Hati (Yogyakarta)

Rumpun Tjoet Nyak Dien (Yogyakarta)

Yayasan LKiS (Yogyakarta)

Yayasan Srikandi Sejati (Jakarta)


Peserta Kegiatan:

Ardhanary Institute (Jakarta)

Arus Pelangi (Jakarta)

Damairia Pakpahan

Departemen Hukum & HAM

Forum Waria Jakarta

GAYa Celebes (Sulawesi Selatan)

GAYa Dewata (Bali)

GAYa Nusantara (Surabaya)

GESSANG (Solo)

GKR Hemas

Harley (Sulawesi Selatan)

IGAMA (Malang)

Institut Hak Asasi Perempuan

Institute Pelangi Perempuan (Jakarta)

Jaringan Islam Kampus (JARIK) Yogyakarta

Jaringan Perempuan Yogyakarta (JPY)

Kartini Network

Kebaya (Yogyakarta)

Kepolisian RI

Koalisi Perempuan Indonesia

Komnas HAM

Komnas Perempuan

LBT (Lesbian, Biseksual, Transgender) Bandung

LBT (Lesbian, Biseksual, Transgender) Perempuan KPI- Sulsel

LBT (Lesbian, Biseksual, Transgender) Perempuan KPI-DIY

LBT (Lesbian, Biseksual, Transgender) Perempuan KPI-DKI Jakarta

LBT (Lesbian, Biseksual, Transgender) Perempuan KPI-Sumatera Barat

LBT (Lesbian, Biseksual, Transgender) Semarang

Lembayung Institute (Jakarta)

LGBTIQ Malaysia

LGBTIQ Philippines

LGBTIQ Thailand

Mohamad Rudy Rizki

Our Voice (Jakarta)

Pertopan (Pontianak)

Perwakos (Surabaya)

PKBI DIY

PLU Satu Hati (Yogyakarta)

Q-munity (Jakarta)

Q-munity (Yogyakarta)

Srikandi Sejati (Jakarta)

US Qmunity (Surabaya)

Violet Grey (Aceh)

Yayasan LKiS

Yayasan Pondok Rakyat


Informasi:

Di buka pendaftaran Stand Penjualan Souvenir dan Buku” - Gratis, Tempat Terbatas.

Syarat: Souvenir atau Buku yang di jual bertema Keberagaman seksual, Pluralisme dan HAM. Stand di buka selama pelaksanaan Dialog Publik.

Pendaftaran paling lambat tanggal 6 Desember 2008.

Kontak Pendaftaran : Radja VESTA - [demi keamanan Anda, lebih baik tidak memasang nomor HP di forum.]-- 275-- 805

www.yogyakartaprinc iples.org

作者:Ry0TA

更新日:2008年12月9日 23時12分

このブログのホーム

[ゲイ][yogyakarta]第60回人権週間(12月4日−10日)

  

第60回人権週間について−法務省人権擁護局

  

「性的指向と性自認の問題に対する国際人権法の適用に関するジョグジャカルタ原則」の関係で、12月10日の「世界人権の日」にクライマックスを迎えるアジアのLBT(レズビアン・バイセクシュアル女性・トランスジェンダー)イベントについて調べていますが、日本でも今は人権週間(12月4日−10日)のまっ最中です。全国各自治体で、さまざまな催しが開催されてるみたいですね。

  

第60回人権週間−Google検索

  

今年は、「世界人権宣言」が発表されて60周年。恐らく例年よりも、注目している人も多いのではないでしょうか?

  

The Universal Declaration of Human Rights - OHCHR

世界人権宣言−外務省

  

第2条

すべて人は、人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治上その他の意見、国民的若しくは社会的出身、財産、門地その他の地位又はこれに類するいかなる事由による差別をも受けることなく、この宣言に掲げるすべての権利と自由とを享有することができる。

Article 2

Everyone is entitled to all the rights and freedoms set forth in this Declaration, without distinction of any kind, such as race, colour, sex, language, religion, political or other opinion, national or social origin, property, birth or other status.

  

1948年に発表された人権宣言は、「性(sex)」による差別は否定しましたが、多様なセクシュアリティ、ジェンダーの人権と尊厳には言及しませんでした。その内容は、時代的制約のせいとはいえ、あくまで性別二元論/異性愛中心主義的です。

  

第16条

1. 成年の男女は、人権、国籍又は宗教によるいかなる制限をも受けることなく、婚姻し、かつ家庭をつくる権利を有する。成年の男女は、婚姻中及びその解消に際し、婚姻に関し平等の権利を有する。

2. 婚姻は、両当事者の自由かつ完全な合意によってのみ成立する。

3. 家庭は、社会の自然かつ基礎的な集団単位であって、社会及び国の保護を受ける権利を有する。

  

Article 16

1. Men and women of full age, without any limitation due to race, nationality or religion, have the right to marry and to found a family. They are entitled to equal rights as to marriage, during marriage and at its dissolution.

2. Marriage shall be entered into only with the free and full consent of the intending spouses.

3. The family is the natural and fundamental group unit of society and is entitled to protection by society and the State.

  

この状況を変えようとしたのが、ジョグジャカルタ原則です。ジョグジャカルタ原則は、国際人権法に基づいて作成されてますから当然ですが、国際人権法の基盤である世界人権宣言と、わりとキッチリと対応しています。人権宣言に性の多様性の視点を取り込み、そこに力点を置いて書き直したのが、ジョグジャカルタ原則と言ってもいいでしょう。世界人権宣言は30条、ジョグジャカルタ原則は29条+追加勧告、意識しているっぽい(?)感じもします(笑)。

興味が湧いたら、世界人権宣言とジョグジャカルタ原則、読み比べてみてください。

  

参照:ジョグジャカルタ原則・目次

  

世界人権宣言ジョグジャカルタ原則
1. 人権の普遍性原則1 人権の普遍的享受に関する権利
2. 差別を受けない権利原則2 平等と差別されない権利
3. 生命と安全の権利原則4 生命に関する権利
原則5 個人の安全に関する権利
4. 奴隷にならない権利原則11 あらゆる形態の搾取、人身売買と取引からの自由に関する権利
5. 拷問・非人道的刑罰を受けない権利原則10 拷問と残酷及び非人道的又は侮辱的取り扱い又は処罰からの自由に関する権利
6. 法の下に人として認められる権利原則3 法の前の承認に関する権利
7. 法の下の平等と庇護の権利
8. 裁判を受ける権利
9. 恣意的な逮捕・拘禁を受けない権利原則7 自由の恣意的剥奪を受けない権利
10. 公正な裁判を受ける権利原則8 公正な裁判を受ける権利
原則9 拘留中の人道的扱いに関する権利
11. 犯罪の訴追を受けた者の権利
12. プライバシーの権利原則6 プライバシーに関する権利
13. 移動の自由の権利原則22 移動の自由に関する権利
14. 難民庇護を求める権利原則23 難民庇護を求める権利
15. 国籍の権利
16. 結婚と家族の権利原則24 家族を構成する権利
17. 財産の権利
18. 思想の自由の権利原則21 信条、良心、宗教の自由に関する権利
19. 表現の自由の権利原則19 考えと表現の自由に関する権利
20. 平和的集会・結社の権利原則20 平和的な集会と結社の自由に関する権利
21. 政治参加の権利原則25 公的生活に参加する権利
22. 社会保障の権利原則13 社会的安全とその他の社会的保障に関する権利
原則14 適当な生活水準に関する権利
原則15 適当な住居に関する権利
23. 労働の権利原則12 労働の権利
24. 休暇の権利
25. 医療・福祉の権利原則17 得られる限りの最も高い健康の水準に関する権利
原則18 医療における虐待からの保護
26. 教育の権利原則16 教育を受ける権利<a/>
27. 文化生活の権利原則26 文化的生活に参加する権利
28. 権利実現の権利原則27 人権促進に関する権利
原則28 効果的救済と補償に関する権利
原則29 説明責任
29. 権利行使における義務
30. 「世界人権宣言」侵害の権利の禁止追加勧告

  

ジョグジャカルタ原則の採用は、まだ世界のごく一部の国でしか進んでいませんが、世界人権宣言から60年、性の多様性を尊重し、性的指向と性自認の違いを理由とした差別を撤廃するという理念は、国際的に浸透しつつあります。今年の人権週間では、次の16項目が強調事項とされています。

  

 「女性の人権を守ろう」,「子どもの人権を守ろう」,「高齢者を大切にする心を育てよう」,「障害のある人の完全参加と平等を実現しよう」*1,「部落差別をなくそう」,「アイヌの人々に対する理解を深めよう」,「外国人の人権を尊重しよう」,「HIV感染者やハンセン病患者等に対する偏見をなくそう」,「刑を終えて出所した人に対する偏見をなくそう」,「犯罪被害者とその家族の人権に配慮しよう」,「インターネットを悪用した人権侵害は止めよう」,「性的指向を理由とする差別をなくそう」,「ホームレスに対する偏見をなくそう」,「性同一性障害を理由とする差別をなくそう」,「北朝鮮当局による人権侵害問題に対する認識を深めよう」及び「人身取引をなくそう」の強調事項を掲げ,啓発活動を展開することとしています。

第60回人権週間について−法務省人権擁護局

  

この通り、日本でも、差別の解消に取り組むべき問題として「性的指向」「性同一性障害」が挙げられているのです。

この項目が入ったのは、(僕が確認した限りなので確証はないですが、)第54回(平成14年)から(「性同一性障害」が独立項目になったのは、もう少しあと)。このときから、人権週間のあいだ、この強調項目はすべての自治体のホームページや啓発リーフレットなどを通して、公に発信され続けているわけです。気づいていない人が多い可能性も、高いのですが(笑)。

  

でも、毎年繰り返されるメッセージが、毎年少しずつ、誰かの気づきのきっかけになってゆけば、いいですよね。

  

日本のさまざまな人権問題を考えるとき、性的少数者の問題はそのごく一部に過ぎないけれど、ジェンダーとセクシュアリティという、すべての人間に関わる問題から生じている問題です。

女性の、子どもの、高齢者の、障碍者の、外国人の、アイヌの、HIV陽性者の、ハンセン氏病患者の、受刑者の、ホームレスのなかに、性的少数者はいます。

そして性的少数者は、そうした他の人びとの人権を侵害する立場にもあります。

  

そんなことを、この機会に考えてみたいと思います。

  

第60回人権週間について−法務省人権擁護局

 

1 人権週間

 国際連合は,1948年(昭和23年)12月10日の第3回総会において,世界における自由,正義及び平和の基礎である基本的人権を確保するため,すべての人民とすべての国とが達成すべき共通の標準として,世界人権宣言を採択したのに続き,1950年(昭和25年)12月4日の第5回総会においては,世界人権宣言が採択された日である12月10日を「人権デー」と定め,すべての加盟国及び関係機関が,この日を祝賀する日として,人権活動を推進するための諸行事を行うよう,要請する決議を採択しました。

 我が国においては,法務省と全国人権擁護委員連合会が,同宣言が採択されたことを記念して,1949年(昭和24年)から,毎年12月10日を最終日とする1週間(12月4日から同月10日まで)を「人権週間」と定めており,その期間中,各関係機関及び団体の協力の下,世界人権宣言の趣旨及びその重要性を広く国民に訴えかけるとともに,人権尊重思想の普及高揚を図るため,全国各地においてシンポジウム,講演会,座談会,映画会等を開催するほか,テレビ・ラジオなど各種のマスメディアを利用した集中的な啓発活動を行っています。

2 「第60回人権週間」強調事項の趣旨

「女性の人権を守ろう」

 男女平等の理念は,日本国憲法に明記されているところであり,法制上も,男女平等の原則が確立されています。しかし,例えば,「男は仕事,女は家庭」といった男女の役割を固定的にとらえる人々の意識は,今なお社会に根強く残存しており,このことが,家庭や職場において種々の男女差別を生む原因となっています。また,配偶者・パートナー等からの暴力や職場等におけるセクシュアル・ハラスメント,性犯罪などの「女性に対する暴力」の問題も,重大な人権問題です。

 このような状況において,「男女共同参画社会基本法」,「ストーカー行為等の規制等に関する法律」,「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」がそれぞれ制定されました。

 法務省の人権擁護機関としても,全国の法務局・地方法務局に,女性の人権問題を専門に取り扱う電話相談窓口「女性の人権ホットライン」を設置し,「女性に対する暴力をなくす運動」期間中に全国一斉「女性の人権ホットライン」強化週間を設けるなど,今後とも取組を強化するとともに,積極的に女性の人権擁護を図るため,啓発活動に取り組んでいきます。

「子どもの人権を守ろう」

 子どもたちの間における陰湿かつ執拗な「いじめ」は依然として全国各地で多発しており,教師による体罰も後を絶ちません。また,国内外での児童買春や性的虐待,インターネット上における児童ポルノのはん濫など,子どもの商業的性的搾取の問題が世界的に深刻になっていることや,近年,親などの保護者による虐待行為により,子どもの生命が奪われたり,子どもの心身や人格の形成に重大な影響が及んでいること等から,「児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」,「児童虐待の防止等に関する法律」がそれぞれ制定されました。

 このような子どもをめぐる人権問題を解決するためには,広く国民の間に人権尊重の理念を定着させ,すべての人々が豊かな人間関係の中で暮らせる状態を築き上げることが必要不可欠です。

 法務省の人権擁護機関としても,未来を担う子どもたちの人権を守るため,児童の権利条約の趣旨の周知を含め,啓発活動に取り組んでいきます。また,子どもが発する信号をいち早くつかみ,その解決に導くために設置された専門相談電話「子どもの人権110番」(全国共通フリーダイヤル)を活用して,子どもや親などからの相談に応じたり,便せん兼封筒を小・中学校の児童・生徒に配布し,返信された封書による児童・生徒からの相談に応じる「子どもの人権SOSミニレター」を実施していきます。さらに,「子どもの人権専門委員」制度の周知を徹底するための広報活動を積極的に推進し,学校その他の関係各機関及び団体との協力体制を強化するとともに,国民一人一人が自分自身の課題として人権尊重の理念についての理解を深めるような取組を充実させていくこととします。

「高齢者を大切にする心を育てよう」

 我が国における高齢化の現状は,平均寿命の大幅な伸びや少子化などを背景として,5人に1人が高齢者となっています。こうした状況の中,高齢者に対する就職差別,介護を必要としている高齢者に対する介護者による身体的・心理的虐待,あるいは,高齢者の家族等が本人に無断でその財産を処分する経済的虐待などの高齢者をめぐる人権問題が大きな社会問題となっています。

 このような状況において,高齢社会対策の推進に当たっての基本姿勢を明確にし,対策の一層の推進を図るため,「高齢社会対策大綱」が決定され,また,「高齢者虐待の防止,高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」が制定されました。

 法務省の人権擁護機関としても,高齢者を大切にし,高齢者の人権についての国民の理解と認識を深めるため,啓発活動に取り組んでいきます。

「障害のある人の完全参加と平等を実現しよう」

 我が国は,「ノーマライゼーション」を基本理念の一つとする障害者施策を進めてきましたが,現実には,車椅子での乗車を拒否されたり,アパートへの入居を拒否される事案が発生するなど,障害のある人に対する国民の理解や配慮はいまだ十分でなく,その結果として障害のある人の自立と社会参加が阻まれており,「障害のある人も地域の中で普通の暮らしができる社会に」というノーマライゼーションの理念は完全に実現されているとはいえない状態にあります。

 このような状況において,平成15年度から24年度までの10年間を計画期間として「障害者基本計画」が決定され,また,同基本計画の後期5年間(平成20年度〜24年度)を対象とする新たな「重点施策実施5か年計画」が決定されました。

 法務省の人権擁護機関としても,国民の間にノーマライゼーションの理念を一層定着させ,障害のある人の自立と社会参加を更に促進するため,啓発活動に取り組んでいきます。

「部落差別をなくそう」

 同和問題とは,日本社会の歴史的発展の過程で形づくられた身分差別により,日本国民の一部の人々が長い間,経済的,社会的,文化的に低位の状態を強いられ,今なお結婚を妨げられたり,就職で不公平に扱われたり,日常生活の上でいろいろな差別を受けるなどの我が国固有の重大な人権問題です。

 この問題の解決を図るため,国は,地方公共団体等とともに,昭和44年以来三度にわたる特別措置法に基づき,地域改善対策に係る関係諸施策を実施した結果,同和地区の劣悪な環境を始めとする物的な基盤整備は着実に成果を上げ,ハード面における一般地区との格差は大きく改善されましたが,結婚問題を中心とする差別事象はいまだに後を絶っていません。

 法務省の人権擁護機関としても,部落差別の解消を目指し,啓発活動に取り組んでいきます。

「アイヌの人々に対する理解を深めよう」

 アイヌの人々が,憲法の下で平等を保障された国民として,その人権が擁護されなければならないのは当然のことです。しかし,アイヌの人々に対する理解が十分ではないため,就職や結婚などにおいて偏見や差別が依然として存在しています。

 アイヌの人々は,固有の言語,伝統的な儀式,祭事や多くの口承文学(ユーカラ)などの独自の文化を持っていますが,近世以降のいわゆる同化政策などにより,今日では,十分な保存,伝承が図られているとは言い難い状況にあります。特に,アイヌ語を理解し,アイヌの伝統などを担う人々の高齢化が進み,これらを次の世代に継承していく上での重要な基盤が失われつつあります。

 このような状況において,「アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律」が制定され,アイヌの人々の誇りの源泉であるアイヌの伝統等について国民に対し知識の普及及び啓発を図るための施策が推進されています。

 法務省の人権擁護機関としても,アイヌの人々に対する偏見や差別を解消し,アイヌの人々に対する理解と認識を深めてもらうため,啓発活動に取り組んでいきます。

「外国人の人権を尊重しよう」

 近年の国際化時代を反映して,我が国に在留する外国人は年々急増しています。憲法は,権利の性質上,日本国民のみを対象としていると解されるものを除き,我が国に在留する外国人についても,等しく基本的人権の享有を保障しています。

 しかし,現実には,我が国の歴史的経緯に由来する在日韓国・朝鮮人をめぐる問題のほか,言語,宗教,生活習慣等の違いから,外国人に対する就職差別やアパートやマンションへの入居拒否,飲食店等への入店拒否,公衆浴場での入浴拒否など様々な人権問題が発生しています。

 我が国も加入している「あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する条約」においては,人種差別や外国人差別等あらゆる差別の解消のための更なる取組が求められています。今後ますます国際化が進むことが予想される状況の中で,外国人のもつ文化を尊重し,その多様性を受け容れることが,国際社会の一員として望まれています。

 法務省の人権擁護機関としても,国民のすべてが,国内・国外を問わず,あらゆる人権問題についての理解と認識を深め,外国人に対する偏見や差別をなくし,真に国際化時代にふさわしい人権意識をはぐくむため,啓発活動に取り組んでいきます。

「HIV感染者やハンセン病患者等に対する偏見をなくそう」

 HIV(エイズウィルス)感染症についての正しい知識や理解の不足から,日常生活,職場,医療現場など社会生活の様々な場面で,HIV感染者が差別やプライバシー侵害などを受けるという人権問題が発生しています。「エイズ問題総合対策大綱」では,HIVに対する正しい知識の普及,検査・医療体制の充実,相談・指導体制の充実及び二次感染防止対策の強化,国際協力及び研究の推進が重点対策として掲げられ,これら重点対策の推進に当たっては,プライバシーと人権の保護に十分な配慮を払うこととされています。

 また,ハンセン病については,患者及び回復者に対する偏見と差別という不幸な歴史が長い間続き,近年においても,ハンセン病元患者に対する宿泊拒否や嫌がらせ等の人権問題が発生しました。本年6月には,「ハンセン病問題の解決の促進に関する法律」が成立し,「何人も,ハンセン病の患者であった者等に対して,ハンセン病の患者であったこと又はハンセン病に罹患していることを理由として,差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない。」と定められました。

 法務省の人権擁護機関としても,これらの状況を踏まえ,HIV感染者やハンセン病患者等に対する偏見や差別をなくし,理解を深めてもらうため,啓発活動に取り組んでいきます。

「刑を終えて出所した人に対する偏見をなくそう」

 刑を終えて出所した人やその家族に対する偏見には根強いものがあり,就職に際しての差別や住居等の確保の困難などの問題が起きています。

 刑を終えて出所した人が,社会の一員として円滑な生活を営むためには,本人の強い更生意欲とあわせて,家族,職場,地域社会の理解と協力が必要です。

 法務省の人権擁護機関としても,刑を終えて出所した人に対する偏見や差別をなくすため,啓発活動に取り組んでいきます。

「犯罪被害者とその家族の人権に配慮しよう」

 近年,犯罪被害者等をめぐる問題としては,興味本位のうわさや心ない中傷などにより名誉が毀損されたり,私生活の平穏が侵害されたりすること等があり,また,犯罪被害者等は,その置かれた状況や負担の重さから,泣き寝入りせざるを得ない場合が少なくないなど,犯罪被害者やその家族の人権問題に対する配慮と保護を図ることが課題となっています。

 このような状況において,犯罪被害者等が,その受けた被害を回復又は軽減し,再び平穏な生活を営むことができるよう支援する等のための施策に関し,基本理念を明らかにしてその方向性を示し,国及び地方公共団体のほか関係機関や民間団体の連携の下,総合的かつ計画的に推進するための「犯罪被害者等基本法」が制定され,犯罪被害者等のための大綱等を定めた「犯罪被害者等基本計画」が決定されました。

 法務省の人権擁護機関としても,犯罪被害者とその家族の人権への配慮と保護を図るため,啓発活動に取り組んでいきます。

「インターネットを悪用した人権侵害は止めよう」

 近年のインターネットの普及に伴い,その匿名性,情報発信の容易さから,他人を誹謗中傷する表現や差別を助長する表現が掲載されるなど,人権にかかわる様々な問題が発生しています。

 法務省の人権擁護機関では,憲法の保障する表現の自由に十分配慮しつつ,一般に許される限度を超えて他人の人権を侵害する悪質な事案について相談を受けた場合には,被害者は,プロバイダー等に対し,発信者の情報の開示を請求したり,人権侵害情報の削除を依頼できることなど,事案に応じた適切な助言を行っており,被害者自ら被害の回復や予防を図ることが難しい場合には,当機関がプロバイダー等に人権侵害情報の削除を求めるなど適切に対応しています。また,インターネットを悪用した人権侵害を防止するため,一般のインターネット利用者やプロバイダー等が個人の名誉やプライバシーに関する正しい理解を深めてもらうため,啓発活動に取り組んでいきます。

「ホームレスに対する偏見をなくそう」

 自立の意思がありながらホームレスとなることを余儀なくされ,健康で文化的な生活を送ることができない人びとが多数存在する一方,地域社会とのあつれきが生じるなど,ホームレス問題は大きな社会問題となっています。また,ホームレスに対する嫌がらせや暴行事件などの人権侵害の問題も発生しています。

 このような状況において,ホームレスの自立を積極的に促すとともに,地域社会におけるホームレスに関する問題の解決を図ることを目的として,「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」が制定され,「ホームレスの自立の支援等に関する基本方針」が決定されました。

 法務省の人権擁護機関としても,ホームレス及び近隣住民の人権に配慮しつつ,ホームレスに対する偏見や差別を解消するため,啓発活動に取り組んでいきます。

「性的指向を理由とする差別をなくそう」

 性的指向とは,性的意識の対象が異性,同性又は両性のいずれに向かうかを示す概念を言い,具体的には,異性愛,同性愛,両性愛を指します。性的指向を理由とする差別的取扱いについては,現在では,不当なことであるという認識が広がっていますが,特に,同性愛者については,いまだ偏見や差別を受けているのが現状です。

 法務省の人権擁護機関としても,性的指向を理由とする偏見や差別をなくし,理解を深めてもらうため,啓発活動に取り組んでいきます。

「性同一性障害を理由とする差別をなくそう」

 性同一性障害とは,生物学的な性(からだの性)と性の自己意識(こころの性)が一致しないため,社会生活に支障をきたす状態をいいます。「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」により,性同一性障害であって一定の条件を満たすものについては,性別の取扱いの変更について審判を受けることができるようになりましたが,一方で,性同一性障害に対する偏見や差別があります。

 法務省の人権擁護機関としても,性同一性障害を理由とする偏見や差別をなくし,理解を深めてもらうため,啓発活動に取り組んでいきます。

「北朝鮮当局による人権侵害問題に対する認識を深めよう」

 平成14年9月17日の日朝首脳会談で,北朝鮮側は,長年否定していた日本人の拉致を初めて認め,謝罪し,再発防止を約束し,その結果,北朝鮮当局によって拉致された被害者のうち5人については,同年10月15日に24年振りの帰国が実現しました。また,平成16年5月22日には小泉総理が再訪朝し,さらに,拉致被害者の家族5人の帰国も実現しました。しかしながら,その他の被害者については,いまだ北朝鮮当局から納得のいく情報は提供されておらず,安否不明のままです。

 我が国政府としては,広く国内外で北朝鮮による日本人拉致問題について情報収集を行うとともに,早期の問題解決のため,粘り強い外交努力を継続しているところであり,また,国連を始め,G8サミット,APEC,ASEAN+3等の首脳会談や外相会談の際にも関係各国に対して拉致問題の解決に向けて理解と協力を求めているところです。

 このような状況において,北朝鮮当局による人権侵害問題に関する国民の認識を深めるとともに,国際社会と連携しつつ北朝鮮当局による人権侵害問題の実態を解明し,及びその抑止を図ることを目的として,「拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律」が制定され,国及び地方公共団体の責務等が定められました。

 法務省の人権擁護機関としても,北朝鮮当局による人権侵害問題について国民に関心と認識を深めてもらうため,啓発活動に取り組んでいきます。

「人身取引をなくそう」

 性的搾取,強制労働等を目的とした人身取引(トラフィッキング)は,重大な犯罪であり,基本的人権を侵害する深刻な問題です。我が国では,内閣に設置された「人身取引対策に関する関係省庁連絡会議」において,人身取引の撲滅,防止,人身取引被害者の保護等を目的とする「人身取引対策行動計画」が取りまとめられ,関係省庁が協力してこの問題に取り組んでいます。

 法務省の人権擁護機関としても,人身取引の問題について理解を深めてもらうため,啓発活動に取り組んでいきます。

*1:12月3−9日は障害者週間

作者:Ry0TA

更新日:2008年12月8日 19時0分

このブログのホーム

[ゲイ][yogyakarta]12月6日(土)2008 Manila Pride March, ”Our Rights, Our Lives, Our Loves, Oueselves”

  

「性的指向と性自認の問題に対する国際人権法の適用に関するジョグジャカルタ原則」

  

目下、開催中の

  

2008年11月25日ー12月10日“Our Sexualities, Our Genders, Our Bodies ~ Lesbian, Bisexual, and Transgender RIGHTS!”@タイ・フィリピン・インドネシア

  

の情報です。

  

タイ→フィリピン→インドネシアとリレーのように行われるレズビアン・バイセクシュアル女性・FtMトランスジェンダーのためのイベント、“Our Sexualities, Our Genders, Our Bodies ~ Lesbian, Bisexual, and Transgender RIGHTS!”、その3カ国で連続でジョグジャカルタ原則の公布式が行われるという、YyPウォッチング的には見逃せないイベントです。

情報検索能力の乏しさゆえ、あまりスケジュールが把握できずにヤキモキしていたのですがー

  

まず、最初のタイは、

11月29日 第1回National Human Rights Day for Sexual Diversity@バンコク

  

次の、フィリピン、

12月6日 2008 Manila Pride, "Our Rights, Our Lives, Our Loves, Oueselves"

  

そして最終日、インドネシア、ジョグジャカルタのファイナル・イベント!

12月10日 16 Days Activism: Our Sexualities, Our Genders, Our Bodies ~ Lesbian, Bisexual & Transgender RIGHTS

  

  

そうです、フィリピンのイベントは、昨日の2008年マニラ・プライドだったんですね!情報遅過ぎ!

  

f:id:Ry0TA:20081018175332j:image

  

プロモーション・フィルムもステキです。

  

Show your Pride March 2008

D

  

さて、肝心のジョグジャカルタ原則公布式ですが、フィリピンのLGBT団体Ang Ladlad - The National Organization of Filipino Lesbians, Gays, Bisexuals and Transgenders (LGBT)によって開催されたそうです。

  

マニラ・プライドのサイトからー

  

Ang Ladlad launches the Yogyakarta Principles in the 2008 Manila Pride March

  

Ang Ladlad, the national organization of LGBT Filipinos committed to a vision of society free from gender-based oppression, prejudice, discrimination and stereotyping, together with the International Gay and Lesbian Human Rights Commission (IGLHRC) will launch the Yogyakarta Principles at the 2008 Manila Pride March on 6 December 2008.

  

The Yogyakarta Principles are an application of international human rights standards to issues concerning sexual orientation and gender identity. They were put together by a distinguished group of human rights experts who met at in November 2006 at Yogyakarta, Indonesia and have since been introduced formally to the United Nations (UN) system, translated into the six official UN languages and launched in several countries.

  

The launch of the Yogyakarta Principles in Manila is part of Ang Ladlad’s response to IGLHRC’s 16 Days of Activism campaign to end violence against Lesbian, Bisexual and Transgender (LBT) women. Ang Ladlad along with other groups in Thailand, Indonesia, Japan, Sri Lanka, Malaysia, China and India will launch the Yogyakarta Principles in their respective countries, take part in the creation of a banner consisting of panels of fabric representing Asian LBT activism and join a gathering of LGBT activist and groups in Yogyakarta, Indonesia for the 60th anniversary celebration of the Universal Declaration of Human Rights (UDHR).


Yogyakarta Principles Launch - 2008 Manila Pride March

  

(12月13日追記)

Youtubeにマニラ・プライドのジョグジャカルタ原則公布式イメージ・ビデオが上がっていますよ!

  

これ、すごい。ホント。

カッコいいんですよ。でも、カッコいいだけじゃないんですよ。

ジョグジャカルタ原則のテーマが、全部きっちりと表現されているんです。

マニラ・プライドの光景と、ジョグジャカルタ原則が鮮やかに重ねられて、感動的。

製作は「Queer Silver」というユニットのようです。

これは、ぜひ観て下さいっ!

  

Yogyakarta Principles Launch - 2008 Manila Pride March

D

  

(12月18日追記)

マニラ・プライドのレポート、ジョグジャカルタ原則公布式のことも載ってます。

  

Manila Pride March 2008 - Danton Remoto - ABS-CBN News

  

Pride March 2008, Manila - The DAILY PCIJ

写真がすごくいいです。

作者:Ry0TA

更新日:2008年12月7日 22時43分

このブログのホーム

[HIV/AIDS][データ]UNAIDS(国連エイズ合同計画)「HIV感染の犯罪化に関する政策指示書」

  

(※12月7日追記:コラム「HIV感染の公表とパートナーへの告知」「母子感染」「第1回世界エイズ議会・決定抜粋」の訳を、末尾に追加しました。)

  

以下は、国連エイズ合同計画UNAIDSが2008年8月に発表した、

”Criminalization of HIV transmission: Policy brief”(PDF)の訳。

  

  

この数年、世界では、HIVの故意による感染を有罪として法的責任を問う「HIV感染の犯罪化」が制度化しつつある。

  

2005年、欧米を中心に進みつつあるこの傾向に対し、UNAIDSやHIV陽性者ネットワークは、感染を処罰する法がしばしば過失や合意による関係にまで広汎に適用されていること、こうした厳罰化がHIV予防・治療の進歩を妨げる危険があることを指摘し、警鐘を鳴らしている。

HIV感染の犯罪化が進む欧州諸国:HIV陽性者ネットワークが警告−グローバル・エイズ・アップデート

  

世界各国における「HIV感染の犯罪化」については、以下のブログエントリを参照。

各国でHIV感染の“犯罪化”の懸念−『QM』〜NPO法人アカーWEBマガジン

  

「故意のHIV感染への有罪判決」のニュースがメディアに増えてゆくなか、「感染の犯罪化」の制度化が、「HIV感染の拡大を抑える」ことにつながるという誤解も生まれるかもしれない。HIVエイズ予防活動に関わっている専門家ならともかく、僕のような素人や、自分はHIVと関係はないと思っている(あくまで、その人がそうだと思い込んでいるだけ、という意味だが)人間は、えてしてそういう予測に飛びつきがちだ。

  

しかし、刑事事件として取り締まりうる「<故意による>HIV感染」(その定義は、以下のUNAIDS文書で詳しく説明されている)は、世界で今も起こっているHIV感染のなかでは極めて限られたケースであり、感染の犯罪化は、HIV拡大を抑制する手段にはならない。むしろ、HIV感染を必要以上に「取り締まり対象」としてゆくことが、これまで実績を上げてきたHIV予防・治療・二次感染阻止政策を妨げる危険のほうが、深刻に憂慮されている。

  

HIV感染にかんする法制度はどうあるべきか?という問題について、世界のHIVエイズ予防政策についてのデータと研究の蓄積をもつUNAIDSが出している提言を読んでおきたいと思う。

  

※注意

※個人的なノートとしての素訳であり、正式な許可を得た翻訳ではありません。

※上記を踏まえた上での利用は自由ですが、翻訳の正確さは保障しません。

注は省略し、原注箇所と注番号のみ記してあります。(追記:注も転載しました)


はじめに

  

一部の国々では、他者にHIVを感染させるか、HIV感染の危険にさらした人間に、刑法が適用されている(注1)。HIV感染に対する刑法の広汎な適用が、刑事上の正義を実現する、あるいはHIV感染を防ぐことを示すデータは、存在しない。むしろ、そのような法の適用は、公衆衛生と人権の基盤を切り崩す危険がある。これらの懸念から、UNAIDSは、各国政府に、犯罪化を故意による感染のケースに限定するよう、 強く求める。故意による感染のケースとは、ある人物が、自分がHIV陽性だと知っていて、HIVを感染させようという意図をもって行動し、実際に感染させた場合である。

  

他の場合においては、刑法の適用は、立法者/府・検事・裁判官により却下されるべきである。とくに、感染の深刻な危険がない場合や、その人物が

  • 自分がHIV陽性だと知らなかった場合
  • HIVがどのように感染するか知らなかった場合
  • 感染の危険がある相手に対し、自分がHIV陽性であることを明かしていた場合(または、相手が何らかの手段でその人が陽性であることを知っていると、本当に信じていた場合)
  • 暴力や、その他の極めて好ましくない結果を恐れ、自分が陽性であることを明かさなかった場合
  • コンドームの使用によるセイファー・セックスの実践や、より感染の危険が高い行為を避けるためのその他の予防措置など、感染の危険を減ずる適切な手段をとっていた場合
  • 互いにどの程度の危険を受けいれうるか、相手と前もって合意ができていた場合

には、刑法は適用されるべきではない。

  

国はまた、以下のことを行うべきである:

  • HIVに特化した法を議会に提出することは避け、その代わり、故意による感染に対しては、一般的な刑法を適用する。
  • 警察および検察が、刑法を適用する権限を制限するガイドラインを発表する(すなわち、「故意による」感染を、明確かつ限定的に定義し、告訴された人物のHIV感染の責任が、合理的な疑いを差し挟む余地なく明確に立証されるべきことを明記し、そして、刑事的な訴追を軽減しうる配慮や条件について明確に示す)(注2)。
  • HIV感染に対する一般的な刑法のいかなる適用も、国家が人権について負っている国際的な義務に沿って行われることを確証する(注3)。

 

暴力による攻撃(すなわち、レイプその他の性的な暴行、陵辱)の結果、HIVも感染させた、あるいは感染の甚大な危険を作った場合、行為者がHIV陽性であることは、その人物が暴行を行った時点で自分が陽性だと知っていた場合にのみ、正当に判決を重くする要因と見なしうる。

  

(注1)それぞれの国とその法律の情報は、以下を参照:

  • Canadian HIV/AIDS Legal Network (2007) A Human Rights Analysis of the N’djamena model legislation on AIDS and HIV specific legislation in Benin, Guinea, Guinea Bissau, Mali, Niger, Sierra Leone and Togo
  • GNP+ and Terrence Higgins Trust (2005) Criminalisation of HIV transmission in Europe: A rapid scan of the laws and rates of prosecution for HIV transmission within signatory States of the European Convention of Human Rights. http://www.gnpplus.net/criminalisation/rapidscan.pdf
  • WHO (2006) Report of the WHO European Region Technical Consultation, in collaboration with the European AIDS Treatment Group (EATG) and AIDS Action Europe (AAE), on the criminalization of HIV and other sexually transmitted infections. WHO, Copenhagen.

(注2)参照:OHCHR and UNAIDS (2006) International Guidelines on HIV/AIDS and Human Rights UNAIDS Geneva.ガイドライン4「刑法そして/または公衆衛生法は、意図的または故意によるHIVの感染を特定の犯罪と看做す法を持つべきではない。むしろ、これらの例外的なケースには、一般的な罪を適用すべきである。このように法を適用する場合、有罪の評決、そして/または厳格な罰則が支持されるためには、[違法行為が]予測可能であったこと・侵そうとする意図・因果関係・罪状の是認という諸要素が、明確に、合法的に確立されねばならないことが、保障されているべきである。」

(注3)特に、個人のプライバシー、可能な限りの水準の健康、差別からの自由、法のもとの平等、人間の自由と安全(参照:「世界人権宣言」3、7、12条;「経済的・社会的及び文化的権利に関する国際規約」12条)。

  

  

刑法に代わる手段

  

HIV感染に刑法を適用する代わりに、政府は、PWH(HIVとともに生きる人びと)とHIV陰性の人びと双方の人権を擁護しつつ、HIV感染を減ずると証明されたプログラム(注4)を広めてゆくべきである。そのような手段には、HIVに関する情報・サポート・必需品を国民に提供し、国民がより安全な行為を行うことで、HIVの拡大を回避できるようにすること、自発的な(強制によるの反対)匿名のHIV検査・相談(注5)へのアクセスを増やし、HIVについての偏見や差別の解決に取り組むことなどが含まれる。予防プログラムには、PWHからの他の人への感染を避けるため、自発的に自分が陽性であることを安全に明かし(注6)、新たな性感染症に罹らないようにし、HIVの進行を遅らせることを奨励する、効果的な「陽性者の予防」が含まれる。

  

政府はまた、レイプ(婚姻関係においても、婚姻外関係においても)やそのほかの女性と児童に対する暴力を取り締まる法を強化して施行し、女性と児童に対する性的暴行を調査・審理する刑事裁判システムの有効性を改善し、具体的な法、プログラム、サービスを通して、女性の平等と経済的自立を支援すべきである。これらは、女性と少女をHIV感染から守る、最も効果的な、もっとも優先されるべき手段である。

このような公衆衛生的、立法的な手段を講じるためには、2010年までにすべての人間のHIV予防・治療・ケア・サポートへのアクセスを実現し(注7)、2015年までにHIVの拡大を減少に転じさせる(注8)という自らの責務を、国がはっきりと自覚することが必要である。

  

(注4)例えば:

  • Johnson WD, Holtgrave DR, McClellan WM, Flanders WD, Hill AN, Goodman M (2005) “HIV intervention research for men who have sex with men: a 7-year update” AIDS Education Prevention 17(6):568-89.

次も参照:

  • Auerbach J and Coates T(2000) “HIV Prevention Research: Accomplishments and Challenges for the Third Decade of AIDS” American Journal of Public Health 90:1029-1032.
  • Green EC, Halperin DT, Nantulya V and Hogle JA (2006) “Uganda’s HIV Prevention Success: The Role of Sexual Behaviour Change in the National Response” AIDS and Behavior 10(4):335-346.
  • Phoolcharoen W (1998) “HIV/AIDS Prevention in Thailand: Successes and Challenges” Science 280:1873-74.

(注5)参照:

  • International Guidelines on HIV/AIDS and Human Rights Guideline 3 (b): “Apart from surveillance testing and other unlinked testing done for epidemiological purposes, public health legislation should ensure that HIV testing of individuals should only be performed with the specific consent of that individual”
  • Guideline 5 22(j) “Public health, criminal and antidiscrimination legislation should prohibit mandatory HIV testing of targeted groups, including vulnerable groups.”

(注6) 参照:Political Declaration on HIV/AIDS General Assembly Resolution 60/262 (2006)(PDF) Article 20 paragraph 25, where governments “Pledge to promote, at the international, regional, national and local levels, access to HIV/AIDS education, information, voluntary counselling and testing and related services, with full protection of confidentiality and informed consent, and to promote a social and legal environment that is supportive of and safe for voluntary disclosure of HIV status.”

(注7)参照:Political Declaration on HIV/AIDS General Assembly Resolution 60/262 (2006)(PDF) paragraphs 11, 15,20,24 and 49.

(注8) Millennium Development Goal 6 UN General Assembly Resolution 55/2, Article 19。

  

議論

  

HIV感染の犯罪化の理由として、おもに提起されているのは以下の2点である:

  • 刑罰を課すことにより、害になる行為を罰する
  • 危険な行為を止めさせ、変えさせることにより、HIV拡大を防ぐ

故意によるHIV感染という稀なケースを除いて、HIV感染への刑法の適用は、これらの目的に役立つことはない。

  

危険な行為の処罰

  

もし誰かが、自分がHIV陽性であると知りながら、HIVを感染させようという意図を持って行動し、HIVを感染させた場合、その人物の心理状態、行為、結果としてなされた危害は、正当に刑罰に価する。そのような悪意ある行為は、HIVの場合は稀であり、入手可能な証拠は、自分が陽性であることを知っている多くのPWHが、HIVの他者への感染を防ぐ手続きを取っていることを示している(注9)。故意による感染以外の状況では、刑事上の訴追は容認し得ない。たとえば、ある人物が、自分が陽性であることをパートナー(自由にセックスに応じることができる人)に明かしている場合、このパートナーが、何らかのほかの方法で、その人物がHIV陽性だとすでに知っている場合、あるいは、HIV陽性の人物が、HIV感染の危険を減ずる手続きを(すなわち、コンドームを使用するか、より危険な行為を避けることによるセイファー・セックスを行うかによって)取る場合、刑法の適用はふさわしくない。そのような行為は、その人物がHIVを感染させようとする意図を持たず、彼らの行為は無謀と見なされるべきではないことを示している。そのような状況にあった人びとを訴追することは、セイファー・セックスの実践や、自発的なHIV検査や、自発的な[HIV陽性の]公表を奨励することでHIV感染を予防しようとする努力と、あきらかに矛盾する。

  

多くの二次感染は、ある人物がHIVに感染した直後に起こる。そのとき、その人物は感染力は高く、また自分がHIV陽性である、あるいは他の人にウィルスを感染させているかも知れないと知る、あるいは疑う前にある(注10、11)。この時期を過ぎても、多くの人は、まだ自分がHIV陽性だと知ることがない。なぜなら、自発的な匿名HIV検査・相談を受けていない、あるいは、陽性と診断されたときに起こりうる、差別や暴力などの好ましからざる結果のために、検査を受けることを恐れているからである(注12)。そのような場合、人びとは自覚せずにHIVを感染させており、刑事的な訴追を受けることもないのだ。

  

(注9)例えば:

  • see Bunnell R et al (2006) “Changes in sexual risk behaviour and risk of HIV transmission after antiretroviral therapy and prevention interventions in rural Uganda” AIDS 20:85-92.
  • Marks G et al (2005) “Meta-analysis of high-risk sexual behavior in persons aware and unaware they are infected with HIV in the United States: implications for HIV prevention programs” Journal of Acquired Immune Deficiency Syndromes 39:446-53.

(注10)

  • Brenner BG et al (2007) “High rates of forward transmission events after acute/early HIV-1 infection” Journal of Infectious Diseases 195: 951-59.
  • Marks G, Crepaz N and Janssen R (2006) “Estimating sexual transmission of HIV from persons aware and unaware that they are infected with the virus in the USA” AIDS 20:1447-1450.

(注11)感染直後に検査を受けても、誤りで陰性の結果が出る。HIVの抗体が検査に表れるまで3ヶ月かかるからである。参照:Fauci AS and Clifford LH (2001) “Human immunodeficiency virus (HIV) disease: AIDS and related disorders”, p. 1852–1913. In Braunwald E, Fausi AS, Kasper DL, Hauser SL, Longo DL, and Jameson JL (eds.), Harrison’s principles of internal medicine, 15th international ed. New York: McGraw-Hill Companies, Inc.

(注12) WHO/UNAIDS/UNICEF (2007) Towards universal access: scaling up priority HIV/AIDS interventions in the health sector. Progress Report. Geneva: World Health Organization, UNAIDS and United Nations Children’s Fund; April 2007.

  

正義の誤配への懸念

  

刑事上の責務を、意図的あるいは故意によるHIV感染のケース以外に−無謀な行為にまで−拡大することは,避けねばならない。そのような刑法の広汎な適用は、多数の人びとを、そのような訴追を受ける責務を予期し得ないような訴追に晒す可能性がある。訴追と有罪判決は、恐らくセックスワーカー、MSM(男性と性交渉を持つ男性)、麻薬使用者のような周縁化された人びとに、過剰に適用されるだろう。このような人びとは、しばしばHIVを感染させると「非難」されているが、にもかかわらずHIV予防のための情報、サービス、必需品に十分にアクセスできず、またそのマージナルな立場ゆえに、[性行為の]相手と安全な行為をする交渉を行う力をもたない(注13)。HIV感染が刑事的に訴追された裁判においては、毎年起こる多数の感染とは異なる極めて稀なケースが訴えられたが、しばしば民族的マイノリティ、移民、MSMが対象となっていた (注15)。

  

HIV感染への不適切かつ過度に広汎な刑法の適用はまた、PWHに対する偏見と差別を増大させ、この人びとをHIV予防、治療、ケア、サポート・サービスからさらに引き離すという、本当の危険を生み出す。

誰が誰にHIVを感染させたかということを特定するのは、しばしば困難を伴い(特に、双方が1人以上の性的パートナーを持っている場合)、ただ証言のみに頼ることになる。HIV感染の責任を負わせられた人びとは、ゆえに誤認により有罪とされる可能性がある(注16)。系統発生学的な検査は、ただHIVの2つのサンプルの相関性の程度を決定することができるのみであり、感染源、感染経路、感染時期を合理的な疑いを差し挟む余地がないほど明確に立証することはできない。それはまた、多くの裁判では実現不可能であり、極めて費用もかかる。

  

(注13)参照:

  • Human Rights Watch (2003) Policy Paralysis: A Call for Action on HIV/AIDS-Related Human Rights Abuses Against Women and Girls in Africa Human Rights Watch, New York. と、その中のHRWの報告
  • Human Rights Watch(2006) Rhetoric and Risk: Human Rights Abuses Impeding Ukraine’s Fight Against HIV/AIDS Human Rights Watch, New York.
  • Human Rights Watch (2004) Not Enough Graves: The War on Drugs, HIV/AIDS, and Violations of Human Rights in Thailand Human Rights Watch, New York.
  • Human Rights Watch (2003) Injecting Reason: Human Rights and HIV Prevention for Injection Drug Users; California: A Case Study Human Rights Watch, New York.

(注14)例えば英国では、2001年以降42000件の新たなHIV陽性診断に対して15件の訴追しか起こっていない。www.nat.org.uk

(注15) GNP+ Europe and Terrence Higgins Trust see (2005) Criminalisation of HIV Transmission in Europe: A rapid scan of the laws and rates of prosecution for HIV transmission within signatory States of the European Convention of Human Rights. www.gnpplus.net/criminalization/index.html

(注16)参照: Bernard, E et al (2007) The use of phylogenetic analysis as evidence in criminal investigation of HIV transmission February 2007. (www.aidsmap.comで入手可能)

  

  

HIV感染の予防

  

刑事的な処罰への恐れが、HIV感染をもたらす可能性のあるセックスや麻薬使用の複雑な行為を著しく変えたり、思いとどまらせたりすると主張するデータは、存在しない。入手可能なデータは、HIV感染を有罪化する法が存在する場所としない場所で、行為になんら違いはないことを示している(注18)。さらに、故意による感染のケース以外に刑法を用いることは、実のところ、効果的なHIV予防を進める努力を、次のような理由で切り崩してしまう可能性がある。

  • それは、HIV検査を受ける意志を失わせる可能性がある。なぜなら、自分がHIV陽性だと知らないことが、刑事訴訟で身を守る最も良い手段だと見なされるかもしれないからだ。これは、検査にアクセスし、HIVの治療・ケア・サポートを受ける人の数を増やそうとする努力を阻害する。HIV検査と治療は、HIV予防の生命線である。なぜなら、陽性の診断を受けた人は、通常、行動を変え、HIV感染を避けるようになる。また、抗レトロウィルス治療は、感染力やHIVの二次感染の可能性を減少させる (注19)。
  • それは、HIV予防の法的な責任を、すでにHIVとともに生きている人にのみ負わせ、セクシュアル・ヘルスへの責任は、性的パートナーの間で分かち合うべきとする公衆衛生のメッセージが、効果を弱めることになる。恐らく人びとは、自分のパートナーがHIV陽性だと明かさないというだけで、相手は陰性に違いないと(誤って)思い込むだろう。そして、予防手段を用いないのである。
  • それは、医療サービスの専門家・研究者に対する不信感を生み出し、良質なケアと研究の供給を妨げることになる。人びとは、自分がHIV陽性であるという情報を、刑事事件で不利に用いられるかもしれないと恐れる可能性があるからだ。

  

(注18)

  • Lazzarini Z, Bray S and Burris S (2002) “Evaluating the Impact of Criminal Laws on HIV Risk Behavior” Journal of Law, Medicine and Ethics 30:239-253.
  • Burris S, Beletsky L, Burleson J, Case P and Lazzarini Z.(2007) “Do Criminal Laws Effect HIV Risk Behavior? An Empirical Trial” http://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=913323.

(注19)

  • Vernazza P, Hirschel B, Bernasconi E and Flepp M (2008) “Les personnes séropositives ne souffrant d’aucune autre MST et suivant un traitment antirétroviral efficace ne transmettent pas le VIH par voie sexuelle . Bulletin des Médecins Suisses 89 (5).
  • Castilla J, Del Romero J, Hernando V, Marincovich B, Garcia S and Rodriguez C (2005) “Effectiveness of Highly Active Antiretroviral Therapy in Reducing Heterosexual Transmission of HIV” Journal of Acquired Immune Deficiency Syndrome 40(1) 96-101.

  

  

女性と少女の権利

  

HIV感染を犯罪化しようとする一部の努力の背後には、弱い立場にある女性・少女へのHIV感染を防ぎ、彼女らに感染させる男性を処罰すべきという期待があることは理解しうる。多くの社会で、女性と少女は、特にHIVに感染し易い立場にある。その背景には、男性に複数のパートナーを持つことを是認する文化的規範、性的抑圧やその他の性差に基づく暴力、女性にHIVに晒される危険がある関係を止めることを困難にする、教育・雇用の差別がある。報告によれば、多くの女性が、結婚やその他の親密な関係を通して、HIVに感染している。そのような関係のなかでは、レイプや性的抑圧も行われてきているのである(注20)。

  

さらに、皮肉なことに、HIV感染への刑法の適用を広げれば、女性のほうが過度に訴追される結果になる恐れがある。女性は、医療サービスにアクセスする可能性がより高いので(注21)、しばしば、自分がHIV陽性だということを、その男性パートナーより前に知る。そしてそれゆえに、「関係にHIVを持ち込んだ」と非難されるのである。多くの女性にとって、セイファー・セックスを求める交渉をすることも、パートナーにHIV陽性だと明かすことも、困難であるか、不可能である。暴力を受けるか、捨てられるか,そのほかネガティヴな結果を招くことを、彼女たちは恐れる(注22)。女性は、止むない理由で陽性だと明かすことができなかったために、訴追を受けるかもしれない。

  

このような状況において、HIVに晒されることから女性を守るよりよい方法は、性的な暴力、性差やHIV感染に基づく差別、雇用・教育・財産や相続や親権を含む家族関係における不平等から彼女らを守る法を、制定・施行することである。

  

(注20) Report on the ARASA/OSISA Civil Society Consultative Meeting on the Criminalisation of the Wilful Transmission of HIV Johannesburg, South Africa, 11-12 June 2007.

(注21) UNAIDS (2007) Report of the International Consultation on the Criminalization of HIV Transmission (forthcoming).

(注22)

  • Asia Pacific Network of People Living with HIV/AIDS (2004) AIDS Discrimination in Asia APN+, Bangkok.
  • Gielen AC, McDonnell KA, Burke JG, O’Campo P (2000) “Women’s lives after an HIV positive diagnosis: disclosure and violence” Maternal and Child Health Journal 4(2): 111-120.

  

  

勧告

  

政府への勧告
  • 国際的な人権の協定に従い、健康・教育・PWHを含む全ての人間の社会的保護に関する権利を含む、平等かつ不可侵の権利を遵守する。
  • HIVに特化した刑法、HIV感染の公表を直接的に義務化する法、そのほかHIV予防・治療・ケア・サポートの努力に逆の効果を生んだり、PWHやその他の弱い立場にある人びとの人権を侵害する法を撤廃する。
  • 故意によるHIV感染にのみ一般的な刑法を適用し、一般的な刑法がいかにして適用されるかを審査して、それがHIVに関し不適切に用いられないことを保障する。
  • 法制度改革や法の施行を、女性に対する性的その他の暴力(注26)、PWHや最もHIVに晒される危険のある人びとに対する差別やそのほかの人権侵害に取り組む方向へと向ける。
  • 効果を立証されたHIV予防(自発的なHIV感染の公表を含む)プログラムへのアクセスを大きく拡大し、夫婦の自発的なHIV検査・相談、自発的なHIV感染の公表、パートナーへの倫理的な告知をサポートしてゆく。
  • 女性団体、人権団体、PWHの代表、そのほか[HIV予防に]重要な集団を含む市民社会が、HIVに関する法とその施行の推進、あるいは見直しに、十分に関与することを保障する。
  • 教育・雇用におけるジェンダーの平等を促進し、児童・若者に年齢に応じた性教育、人生に必要な技能の教育(交渉の技能も含む)を与え、女性がHIVに晒される危険のある関係から逃れることができるよう、女性の財産・相続・親権・離婚の権利を促進する。

  

(注26)より詳細な勧告については、参照:

  • the International Guidelines on HIV/AIDS and Human Rights.
  • IPU, UNAIDS and UNDP (2007) Taking Action Against HIV: A Handbook for Parliamentarians IPU, UNAIDS and UNDP, Geneva.

  

  

市民社会へ
  • 不適切にHIV感染を犯罪化し、効果的なHIV予防・治療・ケア・サポートサービスの供給を妨げるような法・政策が提出されないか、存在しないか監視する。
  • 性的、その他の暴力を阻止する法を擁護し、HIVに関する差別を含むそのような暴力を受けた人びとのためのサービスを支持する。
  • PWHやその他の弱い立場の人びとのために、法的サポートやHIV予防サービスを組織する。
  • メディアと交渉し、適切な割合でこのような問題を取り上げ、HIV感染を明かすことの難しさを説明し、セクシュアル・ヘルスについての責任は双方にあることを何度も繰り返して、確かな情報を発信しているかを確証する。

  

協力し合う世界の人びとへ
  • HIVに関する法が、公衆衛生と人権にどのような影響を及ぼすかという調査に協力する。
  • 政府が、効果を立証されたHIV予防プログラム(陽性者による予防も含む)を広め、PWHやそのほかの周縁化された人びとへの偏見や差別をなくし、適切な法改革を進めること、そして性差に基づく不平等をなくすことを支持する。

  

[HIV感染の]公表とパートナーへの告知[コラム] p.4.

  

一部の国の法律は、HIV陽性であることを性的パートナーやそのほか医療従業者などの人びとに明かさねばならないという法的な義務を課している。UNAIDSは、個人がHIV陽性であることを公表する法的な義務を支持しない。誰でも自身の健康に関するプライバシーを守る権利があり、特に、それがHIV感染のケースのように、深刻な偏見、差別、ことによると暴力に繋がるかもしれない場合には、法によってそのような情報を明かすことを要求されるべきではない。

  

しかしながら、すべての人は、他の人びとを傷つけてはならないという倫理的な義務を持つ。政府は、HIV陽性の人びとのために、セイファー・セックスを実践し、そして/またはHIV陽性であることを自発的に安全に明かすことができるようになるHIVプログラムを行うべきである。これは、2006年の「HIVに関する政治宣言(the Political Declaration on HIV)」で承認されており、それには差別やそのほかのHIV感染を理由とした人権侵害から人びとを護る法と計画を保障する、政府の責務が含まれている。

  

医療施設でHIVに晒されることから身を守るために、医療従業者は、HIVを含む血液から感染する病原体に対する総合的な予防措置にアクセスし、訓練を受けるべきである。?

  

「HIVエイズと人権に関する国際的ガイドライン」は、公衆衛生法は、医療専門家が、それぞれの個人の事情と倫理的な熟慮に基づいて、自身の患者の性的パートナーに、患者のHIV感染を告知するかどうか決めることを正当化すべきだが、要求するべきではない、と助言している(注17)。そのような決定は、以下の基準に従ってのみ行われるべきである。

  • 問題のHIV陽性の人物が、完全にカウンセリングを受けている場合。
  • HIV陽性の人物のカウンセリングが、適切な行動の変化をもたらすことができなかった場合。
  • HIV陽性の人物が、その人のパートナーに[陽性であることを]告げる、あるいは告知に同意することを拒んでいる場合。
  • そのパートナーへのHIV感染の現実的な危険が存在する場合。
  • HIV陽性の人物が、道理にかなった警告を予め与えられている場合。
  • HIV陽性の人物の特定が、そのパートナーから秘密にされている場合。これは、実際にそれが可能であればの場合である。
  • 関係する人物に対し必要に応じて支援を保障するフォローアップが与えられている場合。

  

暴力やその他の好ましくない結果を恐れてHIV感染を明かすことができないHIV陽性の女性には、特別な考慮とサポートが与えられるべきである。

  

(注17)参照: Guideline 3 20 (g).

  

母子感染[コラム] p.6.

  

HIV陽性の母親から子どもへの妊娠期間、および分娩、授乳によるHIV感染の危険は、30%である。この危険は、母親と子どもが抗レトロウィルス治療を受けた場合、著しく減少する。しかし、2007年、治療を必要とする妊娠中のHIV陽性の女性のわずかおよそ34%しか、そのような治療を受けていなかった(注23)。

  

一部の国々では、母子感染を犯罪化する法を制定しているか、制定を考えている(注24)。これは、以下の理由により、不適切である:

  

  • PWHの女性を含め、すべての人間は、子どもを持つ権利がある(注25)。
  • 妊娠中の女性が、抗レトロウィルス治療の利点について助言された場合、ほぼ全員が検査を受け治療を受けることに同意する。
  • 稀に、妊娠中の女性が、HIV検査・治療を受けることに気が進まないという場合、それは通常、彼女らがHIV陽性であるということが知られ、それによって暴力や差別を被ったり,見捨てられたりすることになるかもしれないということを、恐れているためである。
  • 母子感染の刑事的訴追を避けるために、女性に抗レトロウィルス治療を受けることを強制することは、医療措置は必ずインフォームド・コンセントとともに行われねばならないという倫理的・法的条件を損なうものである。そして、
  • しばしば、HIV陽性の母親は、母乳の代用品や粉ミルクをつくる清潔な水がないために、母乳による授乳以外のより安全な選択肢を持たない。

  

カウンセリングや社会的支援を含む公衆衛生の処置は、HIV陽性の妊娠中の女性や母親が稀に治療を拒むケースを扱う場合に、より適切である。政府は、いずれの親も、母子感染の危険を減ずるHIV検査・治療を含む処置に関する情報を持ち、それにアクセスできることを、保障すべきである。女性はまた、自分と子どもをHIV感染を理由とした暴力や差別から護る効果的な手段を必要としている。

  

(注23) Declaration of Commitment on HIV/AIDS and Political Declaration on HIV/AIDS: midway to the Millennium Development Goals: Report of the Secretary-General (2008). UN Document A/RES/60/262 (PDF).

(注24)参照: Canadian HIV/AIDS Legal Network (2007) A Human Rights Analysis of the N’djamena model legislation on AIDS and HIV specific legislation in Benin, Guinea, Guinea Bissau, Mali, Niger, Sierra Leone and Togo.

(注25)「世界人権宣言」16条

  

  

第1回世界HIVエイズ議会(フィリピン・マニラ、2007年)(注27)による決定・抜粋[コラム] p.7.

    

14条:一部の国は、他者をHIVに感染させるか感染の危険に晒すことを犯罪とする、HIVに特化した刑法を制定しており、法がまだ存在しない他の国においても、そのような法の制定が公に要求されている。

  

15条:我々は、刑法と刑事訴追が、HIV感染の危険をもたらす行為に対する適切な政策を代表しているのかと問いかけてきた。その一方、ある人物が自覚の上で、他の人物をHIVやその他の生命の危険を与える健康状態にすることは、明らかに非難されるべきことである。また一方、明らかに故意による感染以外の行為に刑事的な制裁措置を用いることは、人権を侵害し、公的な政策が達成しようと目指している重要な目標を土台から切り崩してゆくことになろう。

  

16条:我々は、特定の条件下において、すなわち故意によりHIVを感染させた場合や、レイプや性的暴行を深刻化させる場合、刑法の適用は正当化されうると認める。それぞれの議会は、その地域的な事情に応じて、その特定の条件を決定する。

  

17条:しかしながら、法制化を急ぐまえに、我々は、HIVに特化した刑法を批准することが、PWHに対する偏見をさらに強め、HIV検査を受ける意欲を削ぎ、HIV陰性の人びとのあいだに誤った安全の認識を植えつけ、そして、HIV感染から護ることで女性を救うよりもむしろ、彼女らに余計に暴力と差別を受ける負担や危険を負わせることになりうるという事実を、慎重に考える必要がある。

  

18条:加えて、HIV感染のためにつくられた刑法が、HIVの拡大やその阻止に、なにか著しい影響を与えるという証拠はなにもない。ゆえに、HIVエイズへの取り組みにおいては、その効果が明らかにされている多岐に亘る予防手段が、優先されるべきである。

  

(注27) 世界全地域からのおよそ160名の議員がこの会議に参加し、最終日にこの最終的決定を採択した。

作者:Ry0TA

更新日:2008年12月6日 12時23分

このブログのホーム

[HIV/AIDS][データ]インドネシア東部・パプア州、「性的に活動的な」PWHにマイクロチップを埋め込んで監視する条例案:英字・日本語ニュースのリンク集

  

※注記:

※このエントリは、問題がなんらかの解決を見たというニュースが出るまで、随時更新したいと思います。

※僕がチェックできるのは英字・日本語ウェブニュースのみで、現地のインドネシア語ニュースがチェックできないため、ここでカバーされている情報には止むを得ない限界・偏向があることに、ご注意下さい。

※完全な素人の立場からの、自分の理解のための情報収集エントリです。よって、問題を分かり易く「解説」し「伝える」性質のエントリではない(誤りを含む可能性もある)ことを、ご了承ください。

  

※12月15日(月)、可決延期が発表:

インドネシア・パプア州「PWHマイクロチップ監視条例案」延期される(2008/12/16)

  

コンテンツ(予定):

  • インドネシア東部・パプア州、「性的に活動的な」PWHにマイクロチップを埋め込んで監視する条例案:英字・日本語ニュースのリンク集
  • 「性的に活動的な」PWHの監視とは??:条例案について
  • 「監視条例」の背景:パプア州問題とHIV
  • 国際社会の反